第4の勢力・2 ページ24
「第4、第4…」
俺ー東海林隼ーと真帆は、それから10分考え続けた。
「名目上は帰宅部、海斗…」
「1%がネック…」
ブツブツつぶやきながらあれこれ考えてみたけど、全然分からない。脳が糖分を欲している。だから海斗が食べているケーキを一口もらってからまた考えたけど、やっぱり分からない。
「凉馬、ヒントないの?」
「ない。正解するかギブかの2択」
「ひどっ」
「ショージ、何か浮かんだ?」
真帆が訊いてきた。
「いや、何も」
「じゃあ…ギブ?」
「するか?」
「しちゃう?」
「俺はどっちでもいいぞ」
「わかった。じゃあギブ」
真帆はあっさり言った。俺は拍子抜けした。
「ギブ?じゃあ正解発表。『第4の勢力』とは、助っ人のこと。通称『流浪人』だ」
「流浪人って…部活で助っ人に来てくれる?」
「そう、それ。海斗は、吹奏楽部の助っ人として活躍してたから、『流浪人』と言っていいんじゃないかな」
海斗は、ちょっと誇らしげな顔をした。でも口の端にケーキのクリームが付いてるから、滑稽に見えるけど。
「なるほど。で、何でネックなの?」
「流浪人ってのは、運動部との関わりが多い。だから運動部の票を、流浪人を通して間接的に獲得できるかもしれないと思う」
「ああ、そうか。凉馬、頭いい」
「ショージに言われると照れるな」
凉馬は、まんざらでもなさそう。
「じゃ、そういうことで次のターゲットは『流浪人』でいこう!」
「オッケー。でも俺はサッカー部の奴らにもアタックしてみる」
「そっか。ショージ、一応サッカー部だしね」
「これでも俺、『エース』だからな?」
「大丈夫なの?参加しなくて」
「今週は毎日出たし、午前中も出たから大丈夫だろ」
「そう。ならいいや」
「じゃ、早速来週からやってみよう!解散!」
俺は場をまとめて帰ろうとしたら、海斗に「まだ食うから付き合って」と目で言ってきた。しょうがないから帰らずに残ったら、その後1時間も付き合わされた。
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年12月18日 22時