検索窓
今日:9 hit、昨日:36 hit、合計:1,207 hit

第4の勢力・2 ページ24

「第4、第4…」
俺ー東海林隼ーと真帆は、それから10分考え続けた。
「名目上は帰宅部、海斗…」
「1%がネック…」
ブツブツつぶやきながらあれこれ考えてみたけど、全然分からない。脳が糖分を欲している。だから海斗が食べているケーキを一口もらってからまた考えたけど、やっぱり分からない。
「凉馬、ヒントないの?」
「ない。正解するかギブかの2択」
「ひどっ」
「ショージ、何か浮かんだ?」
真帆が訊いてきた。
「いや、何も」
「じゃあ…ギブ?」
「するか?」
「しちゃう?」
「俺はどっちでもいいぞ」
「わかった。じゃあギブ」
真帆はあっさり言った。俺は拍子抜けした。
「ギブ?じゃあ正解発表。『第4の勢力』とは、助っ人のこと。通称『流浪人』だ」
「流浪人って…部活で助っ人に来てくれる?」
「そう、それ。海斗は、吹奏楽部の助っ人として活躍してたから、『流浪人』と言っていいんじゃないかな」
海斗は、ちょっと誇らしげな顔をした。でも口の端にケーキのクリームが付いてるから、滑稽に見えるけど。
「なるほど。で、何でネックなの?」
「流浪人ってのは、運動部との関わりが多い。だから運動部の票を、流浪人を通して間接的に獲得できるかもしれないと思う」
「ああ、そうか。凉馬、頭いい」
「ショージに言われると照れるな」
凉馬は、まんざらでもなさそう。
「じゃ、そういうことで次のターゲットは『流浪人』でいこう!」
「オッケー。でも俺はサッカー部の奴らにもアタックしてみる」
「そっか。ショージ、一応サッカー部だしね」
「これでも俺、『エース』だからな?」
「大丈夫なの?参加しなくて」
「今週は毎日出たし、午前中も出たから大丈夫だろ」
「そう。ならいいや」
「じゃ、早速来週からやってみよう!解散!」
俺は場をまとめて帰ろうとしたら、海斗に「まだ食うから付き合って」と目で言ってきた。しょうがないから帰らずに残ったら、その後1時間も付き合わされた。

理論と実践→←第4の勢力・1



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.9/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:青春 , 学園 , 友情   
作品ジャンル:純文学
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年12月18日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。