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出題者 ページ3

「あ、また会ったね」
俺ー東海林隼ーは、クイズ研究会のコーナーで兄貴と遭遇した。本日3度目(ベンチに座ってた時、20分ぐらい前に校舎の中で会った時、そして今)だ。
「俺たち、考えてること同じらしいな」
「だね」
「まあいいや、一緒に回るか」
「そうしよう」
という訳で、2人で協力してクイズを解くことになった。
クイズの内容は昨日と全部違ったけれど、兄貴と解いていくと、昨日より早く最終問題に辿り着いた。
「あれ?これ、昨日と同じだ」
「え?どれどれ?」

星が丘学園の秩序を維持したまま校則を緩めるにはどうすればよいか。

昨日と同じ字だ。1日経っても全然分からない。
「あれ?これ…」
兄貴は首をかしげる。
「何か心当たりあるの?」
「あるある、大アリ。だってこれ、俺が中学の時にクイズ研究会の奴に出した問題だから」
「え?!マジで?!」
「マジ」
「ヒントちょうだい」
「えー…大真面目に考えて」
「大真面目?そのまま受け取れってこと?」
「そゆこと」

大真面目?そのまま?校則を緩める?

訳わかんないや。そんな俺を見て、兄貴はニヤニヤ、ニマニマしている。
「何だよ、ニヤニヤニヤニヤして」
「分かんないだろ?実はな、ここだけの話…」
「「俺も分かんない」、とか?」
綺麗にハモった。どうやら俺の予想は大当たりらしい。
「おい、何で言うんだよ!」
「えー、そうかなって思ったから」
「わかったよ、えらいえらい。これは、引っかけクイズっぽく学園の問題を問いかけたんだ」
「兄貴、面倒くさいね、意外と」
「おい、今何て言った」
兄貴のチョップが飛んでくる。ガツンという衝撃。
「ひー、脳細胞の大虐殺だー」
「うるせえ」
冗談を言って笑い合った後、兄貴は俺の頭に置いたままの手で、今度は頭を撫でてきた。
「まあ、この問題を最初に解くのが隼であると願ってる。俺にはできなかったことも、隼ならできるよ。だから、校則を緩めたいっていう俺の希望は、お前に託す。生徒会立候補もするわけだし、隼、お前が解決するんだ」
兄貴は、大切なことを言う時、いつも俺のことを「お前」と呼ぶ。それだけ思い入れがあるのかな。というか…
「何で生徒会立候補すること知ってんの?!」
「え、海斗くんから聞いた」
海斗ー!俺の口から発表するつもりだったのにー!!
「まあ、頑張れよ」
兄貴は明るく笑った。俺も思わず笑みがこぼれた。

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設定タグ:青春 , 学園 , 友情   
作品ジャンル:純文学
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年12月18日 22時

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