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閉会式 誕生の瞬間編 ページ18

「史上初の2校合同開催での文化祭が無事に終わり、本当によかったです」
「私たち文化部が輝くために、これからも努力していこうと思います」
閉会式は、順調に進んだ。ショージと青葉のスピーチも上手くいって、文化祭は終わりを迎えようとしていた。僕ー伊達凉馬ーは、ちょっと疲れていて、学園長先生の話をほとんど聞き流していた。要するに、ボーッとしていた。
「おい凉馬」
ふと横から名前を呼ばれた。ショージだった。
「カモン」
僕は、は?と言ったが、わけが分からないまま、広場の人混みから引きずり出された。
そこには、僕と同じようにやって来たらしき海斗と青葉もいた。
「いきなり何!」
僕らは小声でショージに抗議した。
「学園長先生が解散の指示出すと思うから、そしたら全員でステージに上がるぞ」
「それで何するの?」
「決まってんじゃん。『合同開催楽しかったですかー!』だろ。あとは、アレだ」
「アレってもしかして…」
僕たちは先生の話を聞きつつ、打ち合わせをした。そして僕は、最後までショージの突然の閃きに振り回されっぱなしだったな、と思った。


「…参加した文化部は、片付けが終わり次第下校となります。それでは、解散!」
さあ、今だ!
「ちょっと待ったー!」
ショージと青葉が叫ぶ。僕はステージに上がる。
広場はざわめいて、状況がつかめていない感じだ。よし、いいぞ!
ステージにあったマイクを拝借して、僕が話し始める。
「文化部のみなさん、2日間お疲れ様でした!」
そう言うと、拍手や歓声が起こる。その隙にマイクを海斗にパス。
「文化祭、楽しかったですかー!」
海斗は、もうヤケクソって感じで叫んだ。あちこちから「イェーイ!」「ハーイ!」などと返事が聞こえる。そしてマイクが青葉に渡る。
「私たちは、これからも2校合同で文化部の地位向上に向けて頑張っていくので、応援よろしくお願いしまーす!」
拍手の嵐が起こる。その隙に青葉はマイクをショージにパス。
「最後にー!発表したいことが2つありまーす!」
ショージは指を2本立てて、Vサインのようにして見せてから話し始める。
「まず、1つめー!」
4人でタイミングを合わせて、右手の人差し指を立てて掲げる。
「俺たち、今までは『秘密結社』だったけどー!改名しまーす!」
おそらく「秘密結社」という名前は、そもそも知っている人が少ないだろうから、あまりピンと来ていないみたいだ。
「その名もー!」
ショージのかけ声の後、せーの、と息を合わせて全員で叫ぶ。
「『BLUE LEMON』だー!」

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作品ジャンル:純文学
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年12月18日 22時

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