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SHOW TIME! ページ11

使い切れるだろうか、残りの時間を。

俺ー東海林翔ーは、たびたびそう思うことがあった。
相棒との生活も、今日このステージが終わればもうおしまいだ。未練たらたらで終わりたくないけど、最後にエネルギー・ゼロになるまで楽しめるかは分からない。終わりを迎えるのが不安だったんだな。

でもそんな心配は杞憂だった。だって…

めっちゃ楽しい!

手首の痛みはあるけど、それを飛び越えるくらい、楽しい!隣の中学生とスライドがすれ違うのも、中学の時お世話になった島田先生の指揮でまた演奏できるのも、野外ステージで気持ちいいくらい音が飛んでいくのも、全部楽しい。今までにないくらいときめいている。それに今ならなんでも吹けそうな気さえする。見に来てくれた両親の顔を見つけた時は、マジでテンション上がった。ちょっと調子乗ってトロンボーンソロの所でアドリブなんかしてみた。いつもはコケて先生に「何やってんだ!」とめちゃくちゃ怒られる所だったけど、今日は上手くいった。

めっちゃ楽しいー!

溢れる気持ちを音楽に乗せて、クレッシェンド!フォルテ!アクセント!
波に乗る、最後にして最大のチャンス!見に来てくれている隼、凉馬くん、あーちゃん、そして誰よりも両親。みんなにこの感情を伝えたい。声を大にして言いたい(楽器を吹いてるから声は出せないけど)。

吹奏楽部に入れてくれて、

楽器を続けさせてくれて、

マイ楽器を買ってくれて、

ドイツに行かせてくれて、

ステージを見に来てくれて、

そして何より、

楽しんでくれて、


ありがとう!

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作品ジャンル:純文学
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年12月18日 22時

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