足場を ページ18
．
医局から出て次の仕事がある猫ちゃんと別れる。
渡「お前先に行ってろ」
果てしなく続いているかのように長い廊下を
ただ静かに二人で歩いていると、征司郎がボソッと小さく呟いた。
「んえ？何で？」
渡「西崎のやつ多分追いかけてくるぞ」
「げっ。それは嫌だ」
渡「患者のリスト調べて待ってろ」
「はぁーい」
面倒な西崎の相手は征司郎に任せて私は関わらないのが一番だろう。
まぁ、自ら進んで関わりたいとも思わないが。
返事をして早速、革靴の音が徐々に大きくなりながら響いてきた。
誰かが近づいてきている。
きっと西崎だ。
足音に背を押されるように、促されるまま私は人家のない廊下を一人歩く。
長い廊下の先、出口からは光が沢山入り込んでいて白い壁と床に反射して眩しい。
西「今回はまた、随分と協力的じゃないか」
後方から小さく聞こえたアイツの声を最後に、建物から外へ出た。
日差しが強くて思わず目を細める。
突き進んで行くと広い庭で子どもたちが走り回っている姿や、車椅子に乗ったご老人が気持ちよさそうに散歩を楽しんでいる姿が目に入った。
それを横目に歩き続ければ段々と人気が無くなってくる。
「うん。やっぱ誰もいないね」
辿り着いた先は旧館前。
ちょっと前──征司郎のお父さんや私の父がまだここにいた頃使っていた建物だ。
もう今は物置も同然となっている。
佐伯教授が建て替えがどうのこうのって言ってたな。
手に持っていたタブレット端末の電源を入れて画面をタップ。
いま入院している沢山の患者の中から今回の手術に合う患者を改めて探していく。
帝華大の連中に任せてもいいのだが……。
「折角なら良い餌をチラつかせないとね」
私は敢えて佐伯教授が担当することになっている患者のリストを眺めた。
いくら今回は帝華大が主導とはいえ佐伯教授の担当患者リストまで見ることは出来ないはず。
だからそれを利用する事にした。
権の字と世良くんには悪いけれど、今回は私も本気で征司郎に協力しなければ。
必ずアイツ──西崎の足場をぐらつかせる為に。
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霜月です。
たくさんのコメント
本当にありがとうございます。
まだ読んでくださっている方が居て
驚くと同時に少しだけ安心。
これからも頑張って更新しようと
改めて思えました。
ありがとうございました。
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霜月(プロフ) - 希央さん» お返事遅くなりましてすみません。コメントありがとうございます！本当にスローペースですが、頑張ります！ (2019年4月21日 23時) (
レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 美里さん» お返事遅くなりましてすみません。ありがとうございます。これからも皆様に楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年4月21日 23時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 中原三日月さん» コメントありがとうございます。お返事遅くなりましてすみません。更新、頑張ります！ (2019年4月21日 23時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 沙月さん» お返事遅くなりましてすみません。そうだったんですね！私も自分の名前に使われている漢字が出てくると驚くのでお気持ちわかります（笑）。これからも更新頑張ります！ (2019年4月21日 23時) (レス) id: 7faa8b6556 (このIDを非表示/違反報告)
希央(プロフ) - スローペースでも構いません。ちゃんと読んでいますよ！更新楽しみに待ってます (2019年4月8日 2時) (レス) id: 29de18e512 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月 | 作成日時：2018年12月17日 23時
