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恋愛のベース・1 ページ9

「突然ごめん、ちょっと確認したいことがあって。サキって前から帰宅部?」
『ううん、前は吹奏楽部だった』
あの噂は本当だった。俺ー進藤海斗ーは、この前聞いた話が本当かどうか気になって、ついに電話で本人に確認してしまった。サキはちょっと困惑してたけど、素直に答えてくれた。
「へー、実は俺、ちょっと前に吹奏楽部の助っ人やったことあるんだ」
『助っ人?』
「そうそう、文化祭の時。テナーサックス吹いて、ソロまでやらしてもらった」
『海斗って実はすごい人?』
電話の向こうから、直球すぎる質問(俺も言える立場じゃないかもだけど)が飛んできた。俺はんー、とちょっと考えてから答えた。
「かもね。ちなみにサキは何の楽器やってたの?」
『私は、ベース』
「ベースって、弦楽器の?」
『そう、大きめのギターみたいなアレ』
「え、俺も持ってるよ、それ」
『本当?』
「ああ、誕生日に買ってもらった」
『海斗もマイ楽器なんだね』
とても、「これから迷惑かけるだろうから」と言って買ってもらったとは言えない雰囲気だった。
『吹奏楽部はやめたけど、ベースは今でも弾いてるの』
「じゃあ、今度うちで一緒に弾く?」
『いいの?』
「全然OK。防音室完備だし」
『すごい、いつならいい?』
「俺はだいたいいつでもいいから」
『いつでもって、海斗、生徒会なのに?』
「それはお互い様だろ」
俺がツッコむと、サキは、そっかと言って笑った。
『なら、明日の午後に行っていい?』
「いいよ」
『ありがと、よろしくね。じゃ』
通話を終了しようとするサキを、
「あ、ちょっと待って」
と言って引き止めた。
「もう1つ訊きたいんだけど、吹奏楽部で何かあった?」

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設定タグ:青春 , 学園 , 友情   
作品ジャンル:純文学
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年3月22日 21時

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