僕らの世界4 (ページ35)

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僕たちがやるしかないんだページ35

どこまでも掘れ。掘り下げろ。以上。

昨日、ショージから回ってきた伝言を思い出し、僕ー伊達凉馬ーは気合いを入れた。

青葉や三浦くん、神河さんは、身内が高等部生徒会にいるせいで気まずそう。
海斗は、例の潜入によって目をつけられている。
ショージも、この話題を持ち込み、会議を企てた人物として目をつけられている。
つまり、自由に動けるのは、浦部くんと僕しかいない。僕は浦部くんと目を合わせ、小さく頷いた。

僕たちがやるしかないんだ。

心の中でそう言い合って、高等部生徒会の方を向き直した。

「高等部生徒会の、最終目的は何なんですか」
勇気を出して尋ねた。緊張で声が震えて、足もガタガタして立てそうにないくらいだ。こんなことをいつもやっている青葉やショージは、やっぱりすごいのかもしれない。
「…私たちの最終目的は、校則の自由化です」
「では、今まで中等部に干渉していたのは何故ですか」
今度は、浦部くんが上手く繋いでくれた。
「私たちの方針を、中等部にも浸透させるためです」
「あの、それにしては過干渉だと思うんですが」
僕は、今思うことを率直に尋ねた。言おう、言おうと思って言ったんじゃなくて、自然と口から出てきていた。
「過干渉、か…
それは考えたことなかったな」
渚学園の会長が言うと、みんな頷いた。まさかの自覚なしか…優秀な人が5人集まっても、そんなことに気付けないこともあるんだ。ちょっと心外だった。
「質問を質問で返すようで悪いんですが、中等部は僕らのことを過干渉と捉えているんでしょうか？」
渚学園会長、急に腰が低くなる。これはもしや…僕ら優勢？でも、ここで一喜一憂しない方がいいだろうから、あれこれ考えるのはやめておこう。
「全員じゃないでしょうけど、多くの人はそう思っているようです」
浦部くんがそう答えると、「エーッ」と声が上がった。いやいや、その反応に、こっちも「エーッ」です、本当。
「そうだったんだ…それは知らなかった、ごめんなさい」
渚学園の副会長は、ヘナヘナと空気が抜けていきそうになりながら言った。
浦部くんの方を横目で見ると、一瞬目が合った。机の下で小さくガッツポーズをしている。青葉やショージも、目で「ナイス」と言っているようだ。

てことは、ついにやったか？