僕らの世界4 (ページ25)

今日:4 hit、昨日:39 hit、合計:2,055 hit

鉢合わせページ25

「進藤くん、ここにいたんだ」
「もう会議が終わりそうなので、早いとこ逃げようと思って」
生徒会室に繋がる会議室から出ると、ちょうど新海さんが迎えに来てくれていた。俺ー進藤海斗ーが荷物を持って退散しようとしたら…

「…え？」

生徒会室のドアが開いて、生徒会メンバーがどやどや出てきた。そしてもれなくフリーズした。もちろん俺と新海さんも。
「…えっと、ここで何を？」
最初に口を開いたのは、渚学園の副会長兼書記の神河さんだった。
「や、ちょっとコイツが見学したいって言うから」
新海さんが何とか取り繕う。苦し紛れだけど、ギリギリ取り持った。

「あ、お前！」

福島さんは、突然大きな声で言った。
「俺に向かってお前とは何だ」
新海さんもすかさず反撃する。でも、俺は何が起こってるのかは分からないから、会話に混ざることができない。
「ああ、あの時のか」
青葉さんも何か思い出したらしい。あまりにも状況が理解できなくて、俺はただボケッとつっ立っているだけだ。
「また、やんのか？」
新海さんの指がポキポキッと鳴る。これは、俺が関わっちゃダメなやつだ。肌で強く感じる。
「進藤くん」
新海さんが小さな声で話しかけてくる。
「走れ。玄関の方向は分かるな？分からなくても、どうにかして脱出しろ。とにかく逃げろ」
そう言われて、俺は反射的に走り出した。陸上部だった頃の経験を生かして、思い切りスタートを切った。これは、短距離をやっていた頃に身に付けたもの。

階段を何段か飛ばしながら下った所で、後ろに人がいることに気付いた。
少し振り返ると、青葉さんが追いかけて来ていた。