僕らの世界4 (ページ19)

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バレた・2 ページ19

「やばい…全部バレた。…」

「あの人、前にもいなかったか？」
ふと、電話を持って席を立った隣のテーブルの人を見てショージが言った。私ー青葉真帆ーは、いつ見たか思い出そうと、記憶を巡らせた。
「前も、ここで見た？」
「そうだな、ここで見た
「いつだっけ…上は私服で下だけ制服の人だよね」
「そうそう、渚学園高等部の人っぽい」
「僕たちは、たぶん見てません」
瀬戸くんが言うと、浦部くんや三浦くんが頷く。
「終業式の日だっけ？」
「うん、きっとそう」
凉馬の言う通り、確かに先月末に見た。
「前も、誰かと電話してたよね」
「確かに。何かあるのかも」
「そう言えば、この前ここに来た時にもいたぞ、あの人」
海斗は、誰もいなくなったテーブルを見て言った。ドリンクと数冊の本だけが置かれている、何とも寂しいテーブル。というか、ドリンクだけで何時間居座るんだろう。私たちが来た時にはもういたから、1時間半は経っているはず。

「もしかして、俺たちのこと監視してる？」

ショージは、たぶん冗談で言ったんだろう。でも、もしそれが本当だとしたら…
「そしたら、何回も見かけるとか、私たちが高等部の生徒会について言及すると電話持ってどこかへ行っちゃうのも説明がつくよね」
私が言うと、凉馬も
「ということは、高等部の生徒会の人か、その関係者かな」
「にしても、何で監視してるんだろうね？」
「…」
みんな思い思いのことを考えて、しーんとなる。
「…そうだ、サキ、」
海斗は何かを思い出したのか、神河さんに話しかける。
「…私の姉、渚学園高等部の生徒会だから」
「え？そうなの？」
それは初耳だ。渚学園生徒会メンバーは誰もそのことを知らなかった。
「…だから、何か聞き出せるかも」
「ということで、サキ、お願いしていい？」
「…うん」
「ありがとう！じゃあ任せた」
神河さんは、小さく頷いた。