恋バナwith天満 ページ11
「いたいた、探したよ。急にどうしたの?」
僕ー伊達凉馬ーは今、南中原駅にいる。昨日、星が丘学園流浪人会の天満から「南中原駅に来てほしい」という連絡があったからだ。普段あまり連絡を取らないだけに、何かあったのかと心配になったり、逆に楽しみだったりした。
「大した用じゃねぇんだけど、買い物に付き合ってほしくて」
「なるほど。ちなみに何を買うんだ?」
「服。いや、ここだけの話、俺今めっちゃモテたくて。凉馬は私服オシャレって聞いたから、セレクトしてもらおうと思ったんだ」
天満は、顔を近付けてコソッと言った。
「お、いいよ。でも僕でいいの?」
実際、僕は服を家の近くの店とかで調達するか、親のセンスのどちらか。よく考えたら、そこまでこだわったことはないような気がする。
「もちろん。今日だって格好いいと思うぞ」
「そうかな…まあいいや、行こう」
そう言って、僕たちは駅の近くのショッピングモールへ入っていった。
「やっぱさすがだなー。今の俺、過去イチ輝いてるかもしれん。サンキュー、凉馬」
天満は大量の紙袋を掲げた。僕も天満もどんどんテンションが上がって、あれもこれも、となった結果だ。
「ならよかった。天満、背高くて顔もいいから何着ても似合うんじゃない?」
「いやいや、さすがにスカートは似合わねぇと思う」
謙遜してるのかしてないのかよく分からない言い方。僕は思わず吹き出した。
「所で天満は、振り向いてほしい人とかいるの?」
「え?突然だな」
「最初、モテたいとか言ってたじゃん」
「あー…まあ、いなくもないかな」
「何だよそれ」
「つか、凉馬って青葉と付き合ってんの?」
僕は、一瞬表情筋が凍りつくような気分になった。
「いや、ないないない!青葉のことは好きだけど、likeだから!」
「マジ?けっこう噂になってるけど」
「情報源どこだ?」
「知らね。だから噂なんだろ」
天満は、笑って言った。確かに2人きりの文芸部で「恋の予感が…」なんて展開の漫画があってもおかしくないけど、それは絶対ない!フィクション!
「マジでないから!ガセ!デマ!」
僕は全力で否定した。
「マジ?意外だな。まあ、もしその気になった時は、俺が恋愛の先輩としてイチから教えてやるよ」
全力で否定した僕に、天満は全力のドヤ顔で返してきた。
「丁重にお断りさせていただきまーす!」
みなさん、文芸部に恋の予感はありません!断言します!お間違えのないように!!
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年3月22日 21時