第四話 ページ5
替えたばかりの白い扉が開いた。
店の中はもう電球に照らされていたが。老人は相変わらず紙の山に埋もれて作業をしている。
そしてジョーカーに気がつき、言った。
「おかえり」
「懐かしいな、それ」
本当に久々だった。帰るところがあって、迎える人がいる。
そんな当たり前のことを嬉しく思った。
「どうよ? 久々の依頼は」
「それが、誰かに先をこされてしまったようでね」
コートをかけながら応じると、老人はその言葉を聞いてくすくすと笑った。無論、その訳をジョーカーは知らない。
「なんで笑うんだ?」
「へっ、何でもねぇよ。んで、なにしにきたんだ?」
「ああ。ちょっと確かめにきたんだ」
カウンター席に座る。
「何をだ?」
「あの依頼をだしたのは、どこのどいつか」
「んなこと知ってどうすん・・・・・・」
「損はないだろ?」
老人が言い終わる前に、ひときわ大きな声で言った。
老人はめんどくさそうに溜め息をついたが、すぐに「調べてやる」といって、五分もしないうちに人物を割り出してみせた。
やはり手際に衰えはない。
依頼を出したのは、シルテという市の市長だった。一番暴走族の被害が大きかったから、二日前に依頼をしたらしい。無論今日行ってきた商店街は、シルテ市にある。
「市町なら、話は早い」
「あ? なんか言ったか」
「独り言だ。気にしなくていい」
「そうかい」
頷いて、カウンター席を離れ、再びコートを羽織る。
「どっか行くのか?」
「ちょっと気付いたことがあってな。多分一日は帰らない」
「これも懐かしいな」
今度は老人が懐かしさを感じた。
「・・・・・・行ってくる」
「おう。気ぃつけてな」
身なりを整えて扉に手をのばすと、扉を突き抜けて拳が飛んできた。
少し驚いたが、瞬時にそれを避ける。
「敵か・・・・・・!」
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北斗七星(プロフ) - 日向信乃さん» ありがとうございます。お願いします (2016年11月28日 20時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
日向信乃(プロフ) - 北斗七星さん» 良いですよー! 此方からボードに伺っても宜しいでしょうか? (2016年11月28日 20時) (レス) id: 8b41fe3180 (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - 日向信乃さん» ありがとうございます。せっかくなので関係組みませんか (2016年11月28日 18時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
日向信乃(プロフ) - 私のキャラも使って頂いていいですよ! (2016年11月28日 18時) (レス) id: 8b41fe3180 (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - 黒氷さん» ありがとうございます (2016年11月25日 21時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
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