【小説】ネクサス魔法武術学園2 (ページ29)

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気配を感じる（ルナ・マリア）ページ29

意識の渦の深い所に沈んでいると、これ以上沈まなくなってしまった
近くに黒竜の気配を感じるから、黒竜が介入しているのだろう

暫くボーッとしていると、ネモの気配を感じ取った
正確に言うならば、ネモの魔力の気配を感じ取ったのだけど

より一層ネモの魔力が強まったと思えば、ネモと白竜の気配を感じる
白竜がネモを呼んできたらしい
ってことは、黒竜がアリアの方に行ったのか……

アリアはゲーム中だったのかな？
それだったら周りの声が聞こえてなかったんだね

ぼんやりとあまり回らない頭で考え、もっと広範囲で気配を探る
と、少し離れた場所にこちらに向かってくる気配を感じた
初めての気配では無かった
話す回数は少ないけれど、何回か話したことのある人物……

これは、ミルドレット？

魔皇鳥もいるけど、案内役か何か？
もしかしてネモを探しているのかな？
こっちきたら僕怒られそう……

あれ、でも時間大丈夫なのかな？
ん？今何時だっけ？

頭の中でぐるぐる考える
ぐるぐる考えていくうちに、少し意識の渦から浮いた気がする

意識の外に呼ばれている

直感でそう思った
黒竜に、白竜に、ネモに＿＿
強い力で呼ばれている気がする

『ルナ、起きろ』
『ルナ、起きて下さい』
「ルナ、ルナ」

ネモの呼ぶ声が一番強い
早く行かないとネモが不機嫌になるだろうか？
それは困る

僕は意識の渦から抜け出し、ネモの声が聞こえる方へ移動する
ネモが呼ぶなら仕方がない
外の世界に戻った方が良さそうだ

僕の視界は真っ黒になった

＊＊＊

「ん……」

ﾋﾟｸﾘと自分のまつ毛が震えるのが分かる
重い瞼をなんとかこじ開けると、薄らとネモの顔が見えた

寝起きなので上手く頭が回らない
とりあえず……

「んー……ぉはょー……？」

挨拶はちゃんとしたよー