加勢する者。しない者(未来&過去) ページ16
『学園内にいる皆さん!外を見れば分かりますが、今は緊急事態です。
私たちも加勢しましょう。協力お願いします! 』
突然かかった放送に、過去と未来は顔を見合わせた。
「お姉ちゃん!」
「今すぐ加勢しましょう」
こんなときにも、過去は冷静さを崩さない。
姉妹は自分たち以外のクラスメートにも、改めて呼びかけたあと、その後1年生の教室にまで
加勢をするように言いつけ、三年生の教室についてもやはり
「先輩!お願いです。加勢してください!」
協力をお願いした。
三年生の教室には、既に加勢しに行った人が多いのかほとんど人がおらず、
あまり時間をかけずに済むことだろうと姉妹は期待した。
だが、
「断る」
その場にそぐわない一言が姉妹を仰天させる。
そぐわない一言を放ったのは、黒に赤いラインの入った服を着た、野獣のように鋭い目つきの男。
「なんでですか先輩! 学園の危機なんですよ!?」
未来は問いたくない問いを、その先輩にぶつける。
「知ったことか。俺には関係ない」
未来はかっとした。一発ぶん殴ってやろうと思ったが、それを過去が抑える。
「そうですか。では先輩は加勢しないんですね?」
こんな状況でも、やはり過去は落ち着いている。
「ああ。加勢しない」
「分かりました。では失礼します」
そう言って過去は先輩に頭を下げると、未来を連れて3年生の教室を後にした。
「お姉ちゃんあれでいいの!? 緊急事態なんだよ!?」
「未来。ああいう人にはいくら言っても無駄。時間がもったいないの」
「でも・・・・・・」
「お願い。言うことを聞いて?」
未来は少し迷った後首を縦に振った。
廊下を走れば、当然玄関は近づき、ついには外に出た。
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wakana0503(プロフ) - 速いっすねぇ(ヽ´ω`)ハァ… (2016年10月29日 17時) (レス) id: 95b6da62c6 (このIDを非表示/違反報告)
柳ノ下ノ背後霊(プロフ) - 更新しました。書き終わりました。 (2016年10月29日 16時) (レス) id: ab83b1c8b4 (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星(プロフ) - しのっちさん» 了解ですー! (2016年10月28日 22時) (レス) id: 9ad4b46b38 (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - 北斗七星さん» ……続編が必要なようです…… (2016年10月28日 21時) (レス) id: 3d07d6e42c (このIDを非表示/違反報告)
しのっち(プロフ) - ……終了…… (2016年10月28日 20時) (レス) id: 3d07d6e42c (このIDを非表示/違反報告)
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