【小説】ネクサス魔法武術学園 (ページ15)

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仲間達(ミルドレット) ページ15

あれからしばらくして、数人の同級生が集まり、

私一人の時は寂しかった教室の空気も賑やかなものとなったが、

そんなこととはうらはらに、

外では数十体のデストロイドが破壊活動を行っている。

生徒数名はその対応に追われ、中には見知らぬ顔もある。

私たちはのんきに校内でくつろぐ。

そんなことがあっていいのか。許されていいのか。

私は我慢できずに教室を飛び出した。

許されるわけがない。私、いや私たちは三年生だぞ？

ここで先輩がいいとこ見せなくてどうするんだ！

向かうは、放送室。私と同じくまだ校内にいる者たちにも、

応援に向かうように呼びかけるのだ。

ようやく放送室の扉を開けて、すぐさま机の上の機械に魔力を込める。

その機械に向かって話すと、私の声は学園中に響き渡る。

これは、入学してから間もないうちに習った、拡声魔法と呼ばれる魔法。

文字通り、自分の声をメガホンやスピーカーを使ったかのように大きくすると

いうもので、魔力もほんの少ししか使わないため、放送にももってこいなのだ。

『学園内にいる皆さん！外を見れば分かりますが、今は緊急事態です。
　私たちも加勢しましょう。協力お願いします！』

それだけ校内の人に告げると、放送室の扉も閉めずに、私は外へと向かう。

やけに角が多く、長い廊下を走り抜ければ、生徒玄関。

やはり靴も履き替えず、待ち構えるデストロイドのもとへ向かった。

外に出て目に付いたのは、一人の名前も知らぬ女子生徒。

彼女は目の前のデストロイドに対応するのに精一杯で、

後ろから忍び寄るもう一体のそれに気がついていないようだった。

「危ない！」

私がそう叫んだとき、デストロイドは彼女の背後から無慈悲な一撃を繰り出す。

だがその無慈悲な一撃は、私の魔法によって防がれた。

「ふぅ･･････間に合った」

見えない攻撃のように敵の腕をはじいた今の魔法は、雷魔法に加速魔法を付与したもの。

全魔法のなかでも最高ランクの速さをもつ。

その速さをもってしても、今の一撃を防げるかは分からないぐらい、

ギリギリだった。

デストロイドがこちらを向く。私は身構える。

先に手を打ったのは私･･････ではなく、その後ろにいた。

私の放送を聞いてやってきた、数人の生徒達。

その生徒達の見事なまでの攻撃を受け、デストロイドはぐたりと倒れた。

私は喜びで胸がいっぱいになった。