第26話『隣で』 ページ26
隣にいた澪が投げられた後、卯月が咄嗟に飛び出そうとした時に異変は起こった。その異変に卯月はおろか本人である澪も驚いていた。
誠夜が他のアトーンメントにクライムの事を伝えて澪は卯月の隠れる岩に逃された。
「怪我してますが動けますか?」
素早くメモに書きだして澪に見せる卯月。雑ではあるが読み取れる字であり、吹き飛ばされた衝撃で息が乱れている澪は少しの間を置いて返事を返してきた。
「な、なんとか」
「あちらに岩が重なってL字型と思われる所があります。もう少し安全だと思うので動きましょう。俺が盾になるので」
少し離れた別の小さめではある岩に特に危険もなく安全に動くことが出来た二人。卯月が先程より積極的に外を見ていた。とはいっても二の舞になるのを避けて稀にだが。
そんな間卯月は実を食べる事を決めた。耳は聞こえるようになりたい、そしてもう一度したい事があったからだ。それと同時に澪について考えていた。先程から一緒に行動していたつもりだったがいつの間にか実を食べていたのだろう。どう見ても普通の人間のなせる技ではない。
暫く経って、戦闘に伴って響く轟音が静まった。クライムも静まった、いや殺されたのだろう。今まで散々新聞などでテロや殺人事件を見てきた、だが彼は自身に関係ないと思っていたようだがこうして対面して見れば怯えと恐怖しかなかった。
――自分に人が殺せるだろうか。無理だ、そう今は結論付けるしかない。
「怪我大したことないん? めっちゃ吹き飛ばされとったけど。やけど、あのクライム火傷しとったで。おかげで楽やったわ」
「……!」
眼鏡をかけなおしながら誠夜達が戻ってきた。少し返り血のついたその姿に冷たく澱んだ感情を卯月は感じた。
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美坂るぅ(プロフ) - 更新日数的に、皆さんのキャラクターがお亡くなりになられていると思われます。 (2017年6月29日 20時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - これ以上リーダーにため口を使うキャラが増えると小説が成立しなくなりそうなのでやめてくだされば幸いです。 (2017年3月29日 15時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - スカビオサさん» 消してあったんですけどね…不具合で戻ってしまったようで… (2017年3月29日 10時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - スカビオサさん» 終わってますよ (2017年3月29日 9時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
スカビオサ(プロフ) - 美坂るぅさん» 更新終わりましたか?? (2017年3月29日 9時) (レス) id: b80a207be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒幕 x他6人 | 作者ホームページ:( ˇωˇ )
作成日時:2017年3月23日 10時