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「簓、巻き込んじゃってごめんね…」
申し訳なさそうに小さくなってしまった四葉。こういうところを見ると本当に10歳なのか分からなくなる。
「いやいや、今のは四葉のせいやないで。俺が有名人やったのが罪やんな〜」
ははは!とおどけて見せると、簓の話は本当に面白いもんね!と楽しそうにはしゃぎ出す。
「私、簓と盧笙の二人の会話、面白くて好きだよ」
「お!ありがとうな!俺と盧笙は昔コンビ組んどったんやで!今も昔も大事や相方や!」
「私、ずっとオオサカに住んでるけどお父さんは訛ってないし、私もあまり訛ってなくて、それできっとみんな私との話つまらないんだろうなって思ってるんだ…」
「そないなこと無いと思うで?」
「1度、みんなみたいに楽しくお話してみたくて、みんなの訛りを真似したことあるの。でも、なんか変、気持ち悪いって、クラスの子たちから言われてから話すのが怖くなっちゃった……」
四葉は自分が訛ってないことをコンプレックスに思っていた。
もともと零も四葉もオオサカ出身ではない。零の仕事の都合に合わせて各地を転々としていたのだ。
オオサカに住み始めたのは最近のことで四葉が関西弁を話すのは無理なはずだった。
「俺は四葉と話しててめちゃおもろいけどなぁ。気にせんでええと思うで?訛ってようが訛ってなかろうが、外国語みたいに言葉が通じへんわけちゃうんやから問題あらへん思うで!」
大事なのはハートや!と胸をトンと打って見せる。
簓と四葉は手を繋いだまま、家主がまだ仕事から帰宅していない盧笙の家まで一緒に帰って行った。
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作者名:蒼依 | 作成日時:2022年12月11日 21時