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2ndディビジョンラップバトルはこれで終幕。
長いようで短かった一大イベントは無事に完了となった。
一泊して迎えた朝。
ロビーに用事があると行って出ていった簓がチェックアウトの時間になっても戻ってこないので、四葉がロビーに迎えに行くことに。
ロビーに行くと何やら騒がしい。
どうやら各ディビジョンのリーダーたちが集まってたようで、なにやら揉めてるようだった。
「あ、簓いた……」
四葉が簓を見つけた瞬間、
ドガッ!!!
「な、何すんねんこのボケ〜!!!」
碧棺左馬刻に殴られ吹っ飛ばされた簓。
「これでチャラにしてやんよ。俺様の優しさに感謝しろよ?」
「お釣りが欲しいくらい痛かったでホンマに。」
お互い笑いあってるものの、簓の頬は赤くなっていた。
「さ、簓!!!」
「あれぇ四葉やん。来たんか」
「簓、大丈夫!?」
慌てて駆け寄り殴られた所をそっと撫でる。
ヘラヘラと笑ってるところを見ると、どうやら大丈夫そうではある。
「あん?んだこのガキ」
碧棺左馬刻と四葉は初対面。
鋭い眼光に睨まれた四葉はまるで蛇に睨まれたカエル。思わず簓の服を強く掴む。
「そんな睨まんといてや。こいつは天谷奴四葉。うちのメンバー、天谷奴零の娘。」
そして簓はそのまま一郎の方をちらっと見る。
山田3兄弟の妹であることを伝えていいのか悩んでるようだ。
その視線に気づいた左馬刻と四葉は追って一郎の顔を見る。
2人の視線を集めた一郎は狼狽え、あー、えっと…と言葉を濁してしまう。
それを見て少し寂しそうな顔をする。
「あ゛?んだよモジモジしやがって女々しい野郎だな」
「はぁ?誰が女々しいだって?」
ガンを飛ばし合い一触即発の一郎と左馬刻。慌てて空却と寂雷が止めに入る。
「まぁまぁ、お2人とも。さっき仲直りしたところなんですから。それに、四葉ちゃんが震え上がってますよ。」
寂雷の言葉に落ち着きを取り戻すふたり。
そのままバツの悪そうな顔をしながら一郎が口を開く。
「そいつは、俺の妹だ……。」
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作者名:蒼依 | 作成日時:2022年12月11日 21時