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「無花果に四葉の迎えをよこすよう頼んだのは俺だが、部下を使わずにわざわざ直々に迎えに行ったんだな!ははは、そりゃおもしれぇ!」

なるほど、中王区の人が手厚かったのは、父親のおかげなのかと納得する。

「あと、乙統女様に会いました。」

「……ほう。そりゃまた何故」

「無花果さんと観客席に向かってる途中で電話があってそれで……」

あーなるほどと納得する。

「乙統女はお前がまだオムツをつけてた頃、父さんの代わりにお前の面倒を見てくれてたんだ。俺は娘の育てかたなんて分からなかったからな。」

同じことを乙統女様は言っていた。

「乙統女に何か言われたりしたか?」

四葉は乙女の言葉を思い出す。
中王区に来ないか、と。中王区なら私にあった教育と、環境を用意出来る、と。
その事を伝えると、やはりなぁ。と呟く零。

「ま、答えは分かりきってるが、万が一にもだ。お前がそういう判断をしたとしても、俺は何も言わねぇ。お前が選んだ道なら、俺は黙って見守ってやるだけよ」

ニコッと笑い四葉の頭を乱暴に撫でる。
この大きな手が、四葉は大好きだ。

「ふふふ、その時はお父さんにスカート履いてもらって中王区に連れていかなきゃね!」

「俺の女装か?中王区の女どもみんなが泡吹いて倒れちまうぜ。まぁ、それはそれでいいがな。」

ガッハッハッと大声で愉快そうに笑う。
四葉は次中王区に誘われた時はこの案を出してみようと心の底で密かに思うのだった。

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作者名:蒼依 | 作成日時:2022年12月11日 21時

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