【ヒプマイ】約束と復讐、そして幸運。【どつ本】 (ページ37)

今日:13 hit、昨日:9 hit、合計:3,158 hit

３７ページ37

会場は歓声包まれ、会場には担架が運び込まれる。

四葉の目からは大粒の涙がこぼれていた。
オオサカは負けてしまった。
誰よりも悔しさを感じていた。

「四葉ちゃん、お父さんのところへ、行っておいで。」

合歓が四葉の背中を押す。
四葉は、良いの？と合歓の顔を見ると合歓は力強くうなづいた。

瞬間、四葉は目の前の柵を飛び越え、父の元へと駆け出す。
そのころには立ち上がれるようになっていた零は四葉に気づくと駆け寄ってきた四葉を抱きとめた。

「お父さんっ！お父さんっ！」

泣きじゃくる四葉を抱き上げ、ぎゅっと抱きしめてやる。

「悪い、負けちまった。かっこ悪いところ見せてすまねぇな。」

ヨシヨシと赤子をあやす様に四葉の背中を撫でてやる。
四葉は全力で首を振りそれを否定する。

「ううん！かっこよかった。世界一かっこよかった！」

娘からの思わぬ言葉に零は口元を抑える。
あまりの嬉しさにニヤケを抑えることが出来なかったからだ。

「ありがとな。四葉のおかげで頑張れたんだぜ。」

担架に乗せられたボロボロの簓と盧笙が運び出されていく。
零は泣きじゃくる四葉を抱き抱えたまま担架で運ばれてく2人とともに退場して行った。

そんな姿を一人ステージから見下ろしている男がいた。