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反撃する零。ドスの効いた声と威圧的なフロウに乗せられる怪しげなリリック。その重さはそのまま三郎の精神へと直接作用する。
「ぐわあああ!」
手加減のない零のリリックをまともに食らった三郎は両膝を着く。
「三郎!」
「大丈夫か!」
兄ふたりは慌てて駆け寄る。
三郎はかろうじて立ち上がるもかなりダメージは大きそうであった。
「チッ、三郎、一旦俺に代われ。」
二郎が三郎の前に出る。
「おいクソ二郎、僕はまだいける…」
「黙ってろ!これはチーム戦なんだ。増してや俺たちは兄弟だ。あいつが父親だって言うなら尚更協力すべきだ」
不意を着く正論に三郎は押し黙る。
「兄貴の手は煩わせねぇ!お前は俺がぶっ潰す!」
二郎の攻撃。三郎程のテクニカルなリリックではないが、勢いとパワーのあるフロウとライムはより強力に精神を犯し、零はは片膝を着く。
「ふぅ〜やるねぇ〜。んじゃ俺の番だな」
再び零の反撃。しかし二郎は片膝を着いたのみで何とか耐え抜いた。
「おー!やるじゃねぇか!さすが俺の息子だな!」
「くそっ、おまえに褒められても嬉しくねえよ……ッ」
「さ、あとは一郎だが……」
まだまだ余裕そうな零の前に簓が出る。
「なぁ、そろそろ俺達もやらせてくれんか〜暇や暇や!ここで漫才してまうぞ!な!盧笙!」
「んあっ!?漫才!?やるわけねーだろドアホ!」
突然振られた盧笙、一瞬テンパるもすぐさまいつもの鋭いツッコミをいれる。
四葉はいつも通りの二人を見てふっと笑顔になる。
「おい、舐めてんのか。」
それを面白くないと思うのが一郎。
「舐めてなんてあらへんあらへん!その弟たちと飴ちゃんはぺろぺろ舐めとるけどなぁ」
簓の挑発に3人ともキレる。
こうしてどついたれ本舗の攻撃は簓に移る。
しばらく白熱したバトルを続けるがどちらも互角でなかなか決着がつかない。
両チーム3人ともだいぶ消耗していた。
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作者名:蒼依 | 作成日時:2022年12月11日 21時