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「ひとりじゃ不安だろうし、良かったら時間までの間私たちと待ってるかい?他に知り合いがいるようだったら、送ってあげるよ」
知り合いと聞いて思いついたのは昨日会ったBad Ass Templeの人達だ。でも、知り合いと呼ぶには挨拶しただけの浅い仲だし、正直あの人たちは少し怖い。
四葉はこのまま寂雷と共にいることを選んだ。
「うん。そしたら私の仲間たちが待ってるので一緒に行きましょうか。」
差し出された寂雷の手を自然と握ってしまう。
この人は……知らない人じゃないから、大丈夫だよね……
少し歩いたところに、麻天狼のメンバー、観音坂独歩と伊弉冉一二三が待っていた。
「あ、先生〜こっちです!あれ、その子は……」
「ああ、この子はどついたれ本舗の天谷奴零さんの娘さんで四葉ちゃんと言うんだ。さっき偶然会ってね。一人だというから連れてきてしまったのだけど……」
「あぁ、それでジャケットを着るようメールしたんですね。」
そういうことです。と寂雷は優しげに笑う。
「なるほど!こんにちは、小さなプリンセス。僕は伊弉冉一二三。お会いできて光栄だよ」
ジャケットを着たホストモードの一二三。その仕草口調はまるで本物の王子様のようで、四葉の目は光り輝いた。
続いて隣から
「こんにちは、四葉ちゃん。僕は観音坂独歩。よろしくね」
前回の優勝チーム、麻天狼とこうして話をできていることが四葉にとっては奇跡のように嬉しく、それと同時に王者の貫禄に触れ不安にもなった。
「私たちは観戦席で観戦するのでそれまでの間ではありますが、一緒に待っていましょうね。」
参加チームの観戦席には既に入ることができるが、麻天狼の3人は四葉と共に観客席が開くまで待つことにしたのだった。
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作者名:蒼依 | 作成日時:2022年12月11日 21時