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「んぉ?あそこにおんのは…」
ホテルのロビーを歩いていると簓が受付の方に歩いていった。
そこには背の高い男性二人と背の低い赤髪の人が。
盧笙は「なんや知り合いか?」と首を傾げながら四葉の手を引いて簓の後を追いかける。
「よぉ!空劫!久しぶりやな!」
空劫と呼ばれた赤髪の男は振り返る。
「あん?」
柄の悪そうな態度に四葉は少し身構えるが、そんな心配は必要ないようだった。
「あ!てめぇ簓じゃねーか!!久しぶりだな!元気してっか!」
空劫は簓の肩をこれでもかと言うほど叩く。
「痛い痛い!相変わらずめちゃめちゃなやっちゃな〜。ココには今着いたんか?」
「あぁ!」
簓とは何やら旧知の中らしく、しばらく雑談していた。
放置されてるこちらの2人と向こうの2人はどうしたものかと気まずい空気の中待ちぼうけていた。
「いやぁ悪ぃ悪ぃ!紹介が遅くなったな!拙僧らはナゴヤディビジョンのBad Ass Temple、拙僧は波羅夷空却!こっちは四十物十四と天国獄だ」
空劫が簓と盧笙、四葉に向かって自分のメンバーを紹介する。
天国獄と呼ばれた男が「よろしくな」と一言言うが、四十物十四は盧笙の顔にビビってるのか、獄の後ろに隠れていた。
「ほら、十四お前も挨拶しろ!」
ドンと背中を押され前に出てくる十四。
モジモジとした後覚悟を決めたのか、顔つきが変わる。
「……我は四十物……狂気と正常の間隙に生きる無垢な混沌の戦士……四十物十四だ!」
「「???」」
え……?今のは自己紹介……?
盧笙と四葉は同時に首を傾げる。
簓はと言うと
「あっはっはっ!よぅわからんけど面白いやっちゃな!才能感じるでぇ!」
この調子だ。絶対意味は分かってない。断じて。
「すまねぇな、こいつは初対面のやつ相手だとこうなっちまうんだよ。悪気はねぇんだ。」
すかさずフォローを入れる獄。その後も十四はなにやらよく分からないことを喋っていたが全くもって理解できなかった。
「ほら!いつまでやってんだ!!」
「あいた!」
獄に頭を叩かれ、先程のモジモジとした様子に戻る。
「す、すいませんっす……」
どうやらこれが普段の十四らしい。
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作者名:蒼依 | 作成日時:2022年12月11日 21時