【ヒプマイ】約束と復讐、そして幸運。【どつ本】 (ページ21)

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「四葉、腹へってるか？」

「ううん、まだ大丈夫。」

「そか、ほんなら夕飯はこのレストランでみんなで食おな！」

簓の指さす先のレストランはホテルに付属されてるレストランだ。
値段の心配をしてる四葉をよそに、「ま、奢るのは盧笙やけどなぁ！」と笑うと「なんで俺やねん！」と盧笙の鋭いツッコミが入る。

ちなみに、四葉が心配してるのは簓と盧笙のお財布である。零は金に困ってないし四葉も節約とは無縁の生活を送ってきているが、簓と盧笙と生活をしてるうちに2人の金銭感覚というものを理解するようになっていた。

「あ、四葉、今俺らの財布の心配しとるやろ！」

図星の四葉はピシッと固まるが、簓はすかさず盧笙を煽り始める。

「いやいや、お前の財布やろ。俺は結構稼いどんのやで〜！」

「うっさい！私立学校だってそこそこいい給料は出るんやからな！」

「でも副業しとったんは誰やったかいな？はて？」

「そ、それは……もおおおお！お前いい加減にせえ！！」

「あいた！」

四葉はこの2人のこのやり取りが大好きだ。
2人に内緒で、このふたりがコンビ「どついたれ本舗」を組んでいた時の動画を見たことがあるが、本当に面白かった。
あのきらびやかなステージで2人が会場の人たちを笑わす姿はきっともう見ることは出来ないけど、こんなにも間近でその2人のやり取りを見ることが出来る自分はなんと幸せなのだろうと、2人に挟まれて思うのだった。