*Lostbelt NO.4 「表題未定」-星が降る夢- (ページ4)

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＊ページ4

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「……謀られた」

どことも知らない地に並び立つ少女と青年。
戸惑う少女の傍ら、徐々に口調が悪くなる様はおそらく性根の部分なのだろう。

座り込み、あ゛ーなんてあからさまに感情を顕にすれば、ダメ元の通信も音沙汰無し。

これは綿密に図られた計略だったのだと気付くには十分すぎるくらいの状況下に溜息以外なにも零れない。
思えば技術スタッフがマスターと共にレイシフトし、礼装の調節を行うなど不自然も甚だしい。

いつしかその不自然を自然と感じさせられていたのは幻惑の一種かもしれない。
けれど今となってはそんなことはどうだってよかった。

「蒼さん、これは一体」

「命の危険性のある茶番とでも思えばいいと思う。まさかここまでするとは思ってなかったというか。まじにどうかしてるな、この機関は」

誘い文句はいつも通り。
マスターに同行し、礼装の調整を行なえと。
今日の相手が、あの食えないイギリス人とくればもっと早く気づくべきだったというのに。

前髪を手持ちのピンで固定し、念の為と自衛のために持ち歩いている宝石をいくつか手にする。

「キリエライトには極力迷惑はかけないようにしたいんだけど、いざとなったときは助けを求めるかもしれない」

射止めるような仕草をとり、まるで引き金をひくように片手を構えると指先に集まる魔力に少女は目を丸くした。
少女の傍らを抜け、貫通する光線は鋭いものではあったがどうにも命中しない。

「結構良い線攻めたとは思ったんだけど、次はもう少し修正するか」

見えぬ相手にあれやこれやと。
知らぬ間に距離を詰められ、少女の背後へと迫った相手はおそらくアサシンと呼ばれるクラスだろう。

戦闘からかけ離れてる青年が魔術師として戦線に立つ様に違和感を感じたことは言うまでもない。
その影響で少女が遅れを取ったというのも誤差の範囲内だが。

光線のような一撃はアサシンの眉間を捉え、消失と出現を繰り返すばかり。何体か倒したあたりで気づくのは無論、戦闘続行することへの意義についてだ。

「蒼さん、おそらく…」

「そうだね。これは完全に"試されてるやつだわ"」

突如出現するアサシンのシャドーサーヴァント。
常人の手に余る相手を前にため息をつくと、いよいよ少女のラウンドサークルに頼る他ない状況に気が滅入る。

触媒もなにも持たない自分に一体、なにを召喚しろというのか。
答えも見いだせず、少女と青年は奔走するのだった。