場地さんのダチ ページ13
----松野千冬side
｢場地さん！今日の放課後空いてます？｣
｢おー、空いてる｣
｢じゃあ俺ん家来ませんか？こないだの漫画、続き貸しますよ！｣
｢まじ？さんきゅ！｣
ついこの前、出会ったばかりの一歳年上の同級生。
学校ではめちゃくちゃガリ勉っぽい格好をしてて、拍子抜けをしたのが懐かしい。
でも、その人はとんでもなくかっけぇ人だった。
トンガってた俺の事を仲間だ、ときっぱり言い放ち、一人で敵を倒していく姿に惚れた。
……もちろん恋愛的な意味ではない。
今、俺は東卍に入り、場地さんの後ろを歩いている。
この人の背中を、一生追い続けたい。そんなふうに思ったのは、これが初めてだった。
｢これでしたっけ？｣
｢そうそう、それ。ありがとなぁ、千冬｣
そう言って場地さんは俺のベッドに倒れ込み、漫画を読み始めた。
俺も、漫画を片手にペケJを撫でる。
特に何をする訳でもなくだらだらと過ごすのもたまにはいいな、と読み終えた漫画を閉じて首を回した。
その拍子にふと、場地さんが視界に入る。
いつの間にか場地さんは漫画を読み終えていたらしく、メールを打っていた。
｢場地さんがメールって、なんか珍しいっすね。東卍の誰かっすか？｣
｢違ぇよ。ただのダチ｣
｢場地さんのダチっすか！？｣
その答えに思わず反応した。場地さんのダチ。しかも、東卍所属じゃない。
一体どんな奴なんだろう。
憧れの人のダチってだけで、こんなに気になってしまう俺も大概だと思うけれど。
｢そんな気になんのかよ。あー、ちょうど明日こいつん家行くから、千冬も来るか？｣
｢え、いいんすか？迷惑じゃ……｣
｢まあ、こいつもお前と似ていい奴だから平気だと思う｣
そう言ってくれる場地さんに、思わず頬を緩めた。
明日、楽しみだなぁ。
｢千冬、行くぞー｣
｢はい！｣
場地さんが教室まで迎えに来てくれて、二人で住宅街を歩き出す。
他愛のない話をしながら着いた先は、一軒の家。
山守……界隈じゃ聞いたことない名前だ。
場地さんがインターホンを押したのを見て高揚する。
マイキー君やドラケン君以外の場地さんのダチ。
｢あ、いらっしゃい！場地くんと、えーっと、松野くん？｣
家のドアを開けて出てきたのは、喧嘩とか不良なんて関わりがないような小柄な女の子だった。
｢お、おんなぁ！？！？！｣
思わず叫んでしまった俺と、その人の間を、春にしては冷たい風が通り抜けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
碧葉(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます！！そう言って頂けてとても嬉しいです！ (2021年8月13日 6時) (
レス) id: 3b7c38c624 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 見てて楽しかったです！更新頑張ってください！場地さんかこかわすぎ…でした… (2021年8月12日 20時) (レス) id: dda0942623 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：碧葉 | 作成日時：2021年8月12日 17時
