【HQ】MajiでKoiする5日間 Ⅲ 【月島蛍】 (ページ17)

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63秒 THE すれ違いページ17

63秒経過

-菅原 side-

「好きですよ、Aのこと」

「ヒュ～やっぱりな～」

てことは、月島とAちゃん、両想いじゃん!

〈蛍は、"恋"なんか下らないと思ってて〉

〈そんな蛍に告白したら、もう…と、友達でもいられないじゃないですかぁ…っっ〉

〈好きだから…大好きだからっっ!だから、好きじゃない"ふり"をしないといけないのぉ…っ〉

Aちゃんはさっきそう言ってたけど、これ、月島が告白すればいいんじゃない?

ここは先輩が後押しするとしますか!

「月島はさ、告白したいとか思わないの?」

「A、兄ちゃんのせいで、バレー部以外の男とまともに話したことないらしいんですよ」

「あ～及川っぽいな」

練習試合に来させたり、今日もわざわざ月島に文句言いに来たっぽかったし。

シスコンってこいういやつのことを言うんだろうなと思った。

「"恋"がなんなのかわからない彼女に僕の想いを伝えても、きっと届かないじゃないですか」

う～ん。

まさに、THE すれ違い、ってやつだな。

"恋"がわからないAちゃんに、

"恋"なんか下らないと思ってる月島。

だから、"偽物"の恋人として隣にいるしか方法がない。

でも、本当はお互い"恋"をしてるのに、相手の気持ちに気付いてないのか。

俺が2人に相手の気持ちを教えることで、すれ違いは解消されるかもしれない。

…けど、それじゃあ2人のためにはならない。

俺に出来ることは、見守ることだけ、だな。

「月島がAちゃんをドキドキさせて、男だって意識させればいいんじゃないかな!」

ぐっと親指を立てて、とりあえず、それらしいアドバイスをしてみる。

「…はあ」

冷たい目で見んな月島!!

しょうがないだろ!?俺だって恋したことないんだから!!

「ま、まずは、この後Aちゃんと話してみ?」

「…わかりました」

ジャージに付いた砂を払い落として月島が立ち上がる。

「おう、がんばんべ!俺もいつでも相談乗るから」

「ありがとうございます。

…でも、Aのこと好きにならないで下さいね…」

少し顔を赤らめて聞こえるか聞こえないかの声量でそう呟いて、月島は合宿所内に戻って言った。

「…月島もかわいいとこあるんじゃん」

基本的には見守るつもりだけど、月島面白いからちょっかいだそーっと、怒らせない程度にね。

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