【弱虫ペダル】じゃんけんに負けました。【黒田雪成】

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東堂side






あまりの暑さに、昼休みは水遊びをしようと新開が言い出した。





荒北「つめてっ、」


新開「尽八、こっちにもかけてくれよ！！」







校庭の近くの蛇口に長いホースをつないで、勢いよく水をだした。



もう夏だなぁ。






新開「く〜っ！！気持ちいい。」


「夏はこれが一番だな！！」








最大限まで蛇口をひねり、荒北の顔面にかけてやろうと思いっきりホースの向きを変えると。






A「うぉっ！？」








荒北がいたはずの場所になぜか女子がいた。








女子「大丈夫！？A！！」





慌てて水道の蛇口をひねり、水を止めたが遅い。


水の勢いがあまりにも良すぎたため、体操服姿の女の子が全身びしょ濡れだ。






新開「やっちまったな、尽八。」


荒北「あーあ。俺知らネ。」


「す、すまん！！大丈夫か！？」





夏らしいポニーテール髪型にくりんとした大きな瞳。


高すぎない身長からして、見た目から活発な子というイメージを受けた。







A「大丈夫、大丈夫。笑
気にしないでください。」


荒北「いや、さすがにそれは気にすんだろ…。」


A「涼しくなってちょうどいいですよ！笑」


女子「いやこの後体育だし、さすがにそのままだと風邪ひいちゃうよ。」


新開「保健室行って来なよ。あそこならタオルもかえのジャージもおいあるだろ。」


「！そうだな！！いこう！！」


A「えっ、あ、…っ、くっしゅん！」







半ば強制的にびしょ濡れの彼女の手をひいて保健室にむかった。





女の子に風邪を引かせるなんて、男として一番やってはならない。



…荒北にかけるつもりだったのにな、俺としたことがとんだ失態だ。









「俺の不注意で、ごめんな。」


A「大丈夫ですって。笑」







あははと笑って、軽快な足取りで保健室にむかう彼女は太陽の光に反射してキラキラしていた。

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