【弱虫ペダル】じゃんけんに負けました。【黒田雪成】

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黒田side





不安って怖い。


一度不安になったらいつまでもこびりついて忘れさせようとしねぇ。





こんなことに悩むなんて、俺はどっかの恋する乙女かっつーの。


こんなん誰にも言えねぇ。








「(…なんであいつあんなにコミュ力高えんだよ。)」






思わず頭を抱えちまう。




なにが人見知りだ、バカ。


東堂さんだけじゃなくて荒北さんとか。




俺もうそれ完全に勝ち目なくなるからやめてくれよ。








A「荒北先輩後だししましたか？」


荒北「あぁ！？誰がんなせこいことすんだよっ！！」


A「いたたっ、冗談ですって〜！笑」








ため息を無理やり呑み込んで、自分の席に座って大人しくしていると、新開さんがやって来た。



廊下でまだAと荒北さんは騒いでいる。


それを東堂さんは面白そうに笑いながら見ていた。







「…なんすか。」


新開「あれ、どう思う？」


「べつに…、仲良さそうでいんじゃないですか？」





あれ、とはもちろんAと荒北さんのことを指していて。



俺の答えに満足いったのか、新開さんは声を押し殺して笑った。




何なんだ、この先輩。


嫌味を言いに来たのか？








新開「靖友、けっこうあの子のこと気に入ってるぜ。」


「え？」


新開「ちなみに尽八も。敵は身内にありってな、笑」


「マジで言ってるんすか…？」


新開「さぁ。まぁでも、」






清々しいほどの笑顔で新開さんは言った。







新開「このままじゃ確実に誰かにとられちまうかもなぁ。」


「それ脅しっすね。」


新開「ははっ、だって告白は焦らすもんじゃないだろ？笑」








東堂さんはともかく、新開さんは確実に楽しんでるだけだろう。


くっそ、この先輩に弱みを握られた気分だ。








A「あははっ、笑」






ったく、人の気もしらないで。


馬鹿笑いしてんじゃねぇよ、鈍感A。




さっさと自分の気持ち気づけっつーの。

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