【弱虫ペダル】じゃんけんに負けました。【黒田雪成】

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わからない。


最近わからないことが多すぎる。





例えば、今解いてる数学の問題とか。






「あ、東堂先輩だ！」





雪ちゃんのこととか。





東堂「おぉ、Aちゃんも図書室で勉強か？」





自分の気持ちとか。





「はい。あ、隣どうぞ。」


東堂「ありがとう。」








昨日の雰囲気とは真逆で、雪ちゃんは今日も変わらなかった。


最近東堂先輩に借りるタイミングをなくしていたため、じゃんけんは連敗中だ。




今日は雪ちゃんが昼ごはんを奢ってほしいというので、購買でパンを買ってなぜか屋上で2人で食べた。







「…先輩、」


東堂「ん？」





テキストと一生懸命向き合ってるのに、私のこんなくだらない話を聞いてる時間はないだろう。



うん、やっぱり邪魔になるからやめておこう。








東堂「黒田のことか？」


「えっ、」


東堂「聞くだけで良かったら、いいぞ。
べつに勉強の妨げにはならないしな。」






先輩は受験生だというのにとても申し訳ない。



いやでもありがたいって言えばそうなんだけど。



すみません、と一言前置きしてから悩んだ結果ノートの字を見ながら東堂先輩に口を開いた。









「雪ちゃんのこと、やっぱりまだ友達なのかそうじゃないのかわかんないです。」






はっきりしない自分が嫌だ。


でも、昨日の言い方だと雪ちゃんだってハッキリしていないみたいだった。







「…でも、雪ちゃんが誰かにとられちゃうのは嫌だなぁ、って思います。」






雪ちゃんはただ女子と接点がないだけで、ただでさてモテるから。


きっと話したら学年だけじゃなくて、学校中の人気者になるんじゃないかな。




そうしたら、私じゃなくても良くなっちゃうのかな。


それは、絶対に嫌だな。








「…東堂先輩？」





先輩は声を押し殺して笑っていた。







東堂「Aちゃん、一つその迷いを解決するためのアドバイスをやろう。」


「！はい！」


東堂「それは、恋というんだよ。」


「えっ。」


東堂「誰かにとられたくない。それは、恋している相手に思うことだ。」

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