33ポン ページ35
黒田side
あー、あぶねぇ。
危うく言いそうになっちまった。
こんなタイミングで告白したって振られる確率の方が高くて、Aは不器用だから今までの俺たちの関係が続くとは限んねえのに。
気をつけねぇとな。
A「雪ちゃん、」
「ん?」
さっき買ったラムネを一口飲むと、口の中で炭酸が思いっきり弾けて、なんだか数ヶ月前の夏に戻った気分だった。
この時期って、すげぇ微妙だ。
A「私も雪ちゃんのことずっと友達として特別だと思ってたの。」
「おー。」
…あ?思ってた?
少し驚いて、Aの目を見ると次の言葉を探しているように黙った。
…なんだこの顔。
少し期待しちまうんだけど。
A「でも、…なんか最近違う気がしてきちゃった。」
「…違うって、何がだよ。」
A「…わかんないよ。それがわかったらこんなに悩んでないもん。」
「…鈍感バカ。」
A「へっ?何が?」
「何でもねぇよ。」
それからAは、もう話したいことがなくなったのか、暑いと言って上に着ていたカーディガンを脱いだ。
…つーか今さらだけどさ。
スカート短すぎなんじゃねぇの。
その何にも考えてない格好。
馬鹿みたいに素肌さらけ出しすぎなんじゃねぇの。
A「あ、虫の音。」
…バーカ。
スカートなの忘れてんだろ。
足たてれば下に履いてんの見えんぞ。
A「?雪ちゃん?」
「…お前さぁ、誘ってんの?」
A「へっ?」
さっきの期待もたせるような言葉だったり。
その格好だったり。
「俺も男なんだけど。」
A「あ、」
「そんな格好してっと喰われんぞ。」
前と違う。
俺を見る目が。
ちょっと混じったあの恐怖の目じゃねぇ。
そう、その顔。
「バーカ。そんな顔してんじゃねぇよ。」
A「……。」
やべぇ、そろそろ自制きかなくなってくる。
こんなところで変に傷つけちまうわけにはいかない。
好きな女は、大事にしたい。
「帰るか。」
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ウウ - ユキちゃん可愛いです!修学旅行とかも見てみたいです! (2016年5月24日 20時) (レス) id: b2e278142f (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 楼羽さん» 楽しんでもらえて良かったです^ ^黒田くんなかなか書く機会がないのですがぜひまた書いてみたいと思いますのでその時はどうぞよろしくお願いします^ ^ (2016年2月23日 1時) (レス) id: 0ea654eb96 (このIDを非表示/違反報告)
楼羽(プロフ) - バレンタイン編とっても嬉しいです!流石でした...黒田落ち作品が少ないのが残念だったのですが、あんずさんの黒田落ち作品に出会えて良かったなー!と時たま思います!これからも読まさせていただきます! (2016年2月15日 9時) (レス) id: e3b315eed7 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 雨宮ゆずさん» ありがとうございます。黒田くんはあまりキャラが掴めてないのですがそう言っていただけると励みになります^ ^また黒田くんを書く機会があればぜひ読んでみてください^ ^これからもよろしくお願い致します。 (2016年2月15日 7時) (レス) id: 0ea654eb96 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮ゆず(プロフ) - あんずさん書くゆきちゃん本当に大好きです。ゆきちゃんは結構恋のライバル的なキャラで登場するのが多いので、もっとゆきちゃんに幸せになってもらいたいですね。笑またゆきちゃんの作品を書いてくださること、祈っています! (2015年9月26日 3時) (レス) id: 4206094240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんず | 作成日時:2015年7月18日 17時