検索窓
今日:12 hit、昨日:16 hit、合計:162,619 hit

32ポン ページ34

静かだ。


あまりにも周りの音が静かすぎる。





ちょうどお祭りの騒がしい音と、神社の異様なほどの静けさの真ん中にきた気分で。



こんな雰囲気、初めてだった。








黒田「……。」





横目でバレないように、ちらりと雪ちゃんを見るとなぜか雪ちゃんは空を見ていて。


何を考えているかよくわからなかった。




繋がれてる手をじっと見るのはあまり心臓によくないからやめよう。







「変なの。」





ポツリと勝手にでた言葉に、やっと雪ちゃんは私を見て振り返った。





黒田「何が?」


「…いっつも馬鹿みたいにじゃんけんしてただけなのに。」







こんなふうに一緒にいることも。


こんな空気を味わうことも。



こんな気持ちになることも。


一緒にいて、初めて心地が悪くなった。




ドキドキして、目を瞑りたくなるのにずっとこの時間が続けばいいのに。なんていうのは矛盾している。








黒田「…俺はけっこう好きだけどな、お前とこうしてるの。」


「えっ?」


黒田「…恋愛対象としてお互いのこと見るんだろ?」


「あ、…うん。」








雪ちゃんはずっと特別で。


唯一気軽に話せる男子だったから。



ただ、それだけだと思っていたのに。





もしかしたら、私が気づかなかっただけで。


私の中で雪ちゃんはとっくの昔に恋愛対象になっていたのかもしれない。



なんていう考えは今急に頭に浮かんだだけだから気にしないようにしよう。









黒田「俺さぁ、その話するまでお前のこと友達として特別なんだと思ってたんだけど。」


「…、」


黒田「案外、そういうことじゃなかったみてぇだわ。」





ちょっと理解できなくなってきた。






「どういうこと…?」


黒田「…さぁな。まだ言わねぇよ。」







もう座ってるから迷子になる心配はないのに。


人とぶつかる心配もないのに。




少し手を握る力が強くなった気がした。

33ポン→←31ポン



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (295 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
244人がお気に入り
設定タグ:弱虫ペダル , 黒田雪成
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ウウ - ユキちゃん可愛いです!修学旅行とかも見てみたいです! (2016年5月24日 20時) (レス) id: b2e278142f (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 楼羽さん» 楽しんでもらえて良かったです^ ^黒田くんなかなか書く機会がないのですがぜひまた書いてみたいと思いますのでその時はどうぞよろしくお願いします^ ^ (2016年2月23日 1時) (レス) id: 0ea654eb96 (このIDを非表示/違反報告)
楼羽(プロフ) - バレンタイン編とっても嬉しいです!流石でした...黒田落ち作品が少ないのが残念だったのですが、あんずさんの黒田落ち作品に出会えて良かったなー!と時たま思います!これからも読まさせていただきます! (2016年2月15日 9時) (レス) id: e3b315eed7 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 雨宮ゆずさん» ありがとうございます。黒田くんはあまりキャラが掴めてないのですがそう言っていただけると励みになります^ ^また黒田くんを書く機会があればぜひ読んでみてください^ ^これからもよろしくお願い致します。 (2016年2月15日 7時) (レス) id: 0ea654eb96 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮ゆず(プロフ) - あんずさん書くゆきちゃん本当に大好きです。ゆきちゃんは結構恋のライバル的なキャラで登場するのが多いので、もっとゆきちゃんに幸せになってもらいたいですね。笑またゆきちゃんの作品を書いてくださること、祈っています! (2015年9月26日 3時) (レス) id: 4206094240 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あんず | 作成日時:2015年7月18日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。