30ポン ページ32
あぁ、わかった。
今日の雪ちゃんがめちゃくちゃカッコよく見える理由。
私服だからだ。
見たことないからだ。
ずるいなぁ。
雪ちゃんとは学校で会うことばかりだったから。
こんな姿、知らなかったのに。
「カッコ良くてずるい。」
黒田「あ?なんか言ったか?」
「べつに。」
最近、私雪ちゃんのこと意識しすぎかな?
あの日から。何か歯車が狂っていったあの日から、雪ちゃんのこと友達として見るのが難しくなってきちゃったよ。
黒田「あー、腹減った。」
「どっか寄って行く?」
黒田「おー。…、」
「ん?なに?」
黒田「お前危なっかしいんだよ。」
ほらそういうところ。
わざわざ車道側を歩いてくれるところ。
勘違いしちゃうじゃん。
「カッコ良いー…。」
黒田「からかってんじゃねぇよ、バーカ。」
ほんとに思ったことだもん。
べつに、からってないのに。
「あ、雪ちゃん。」
黒田「あ?」
「お祭り。」
少し先の神社から、かすかに漏れるオレンジの光。
屋台が並んであるところを見ると、なにかお祭りがあるみたいだ。
黒田「はぁ?こんな時期にか?」
「秋祭りじゃないかな。行ってみようよ!!」
黒田「べつにいいけど…。」
まだ時間が遅くないためか、なかなか神社の通りは人が多くて盛り上がっていた。
黒田「迷子になんなよ。」
「失礼だなぁ、そういう雪ちゃんこそ迷子に…わわっ、」
人が多くて隣のお兄さんにぶつかってしまった。
…ふぅ、危ない危ない。
黒田「…すげぇ心配なんだけど。」
「うっ。だ、大丈夫だって!!」
黒田「ほら、」
「えっ?」
黒田「手。迷子の呼び出しとかされたらめんどくせぇし。」
「…大丈夫なのに。」
小さく文句を言いながら、渋々。
しょうがないから、雪ちゃんの左手に右手を重ねる。
思っていたよりずっとガッチリしていておっきかった雪ちゃんの手は、確かに男の人でガラにもなく緊張した。
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ウウ - ユキちゃん可愛いです!修学旅行とかも見てみたいです! (2016年5月24日 20時) (レス) id: b2e278142f (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 楼羽さん» 楽しんでもらえて良かったです^ ^黒田くんなかなか書く機会がないのですがぜひまた書いてみたいと思いますのでその時はどうぞよろしくお願いします^ ^ (2016年2月23日 1時) (レス) id: 0ea654eb96 (このIDを非表示/違反報告)
楼羽(プロフ) - バレンタイン編とっても嬉しいです!流石でした...黒田落ち作品が少ないのが残念だったのですが、あんずさんの黒田落ち作品に出会えて良かったなー!と時たま思います!これからも読まさせていただきます! (2016年2月15日 9時) (レス) id: e3b315eed7 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 雨宮ゆずさん» ありがとうございます。黒田くんはあまりキャラが掴めてないのですがそう言っていただけると励みになります^ ^また黒田くんを書く機会があればぜひ読んでみてください^ ^これからもよろしくお願い致します。 (2016年2月15日 7時) (レス) id: 0ea654eb96 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮ゆず(プロフ) - あんずさん書くゆきちゃん本当に大好きです。ゆきちゃんは結構恋のライバル的なキャラで登場するのが多いので、もっとゆきちゃんに幸せになってもらいたいですね。笑またゆきちゃんの作品を書いてくださること、祈っています! (2015年9月26日 3時) (レス) id: 4206094240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんず | 作成日時:2015年7月18日 17時