29ポン ページ31
黒田side
鼻歌なんかを歌いながら、いつもの不味そうなジュースを飲んでるAを横目でチラリと見るとばっちり目があった。
A「?どしたの?」
「…何でもない。」
べつにバッティングセンターに来たかったわけじゃない。
どこに行くのか決まってなくて、テキトーにぶらぶら歩いてたらついただけ。
そうまでして、俺はべつにAに話したいことがあったわけじゃないのに。
A「雪ちゃーん、まだやるのー?」
でもやっぱ、コイツといるのは落ち着く。
何も考えなくていい。
「あと10分。っし、」
中学の頃からスポーツは得意だったし、ほんとはもっと球のスピードを速くしたいんだけど。
「(…コイツの前でダサい格好するのだけは勘弁。)」
ぜってぇ笑われるし。
決して、カッコつけたいとかいうわけじゃねぇから。
A「わっ、すごーい…!!」
雑念を払うように思いっきりバットを振ると、確かな手応えがあって、勢いよくボールが遠くに飛んだ。
「っ、あっちぃー…。」
調子に乗ってやりすぎたか。
Tシャツであおいでも全然意味ねぇし。
「A、そこにあるタオルとって。」
A「…え?」
「ソレ。とって。」
A「あ、はい!!」
「なにボーッとしてんだよ。笑」
受け付けで景品をもらうと、トイレに行ってくると言ったAが、ニコニコしながら小走りで戻ってきた。
A「お疲れ様!!」
「…サンキュ。」
俺がいつも購買で買ってる缶ジュースを渡すと、Aは感心したように「野球って難しいんだね。」と呟いた。
A「雪ちゃんよく来るの?」
「いや、すげぇ久しぶりにきた。」
A「ふぅん。
…んーっ、でも楽しかったぁ!!」
「…ほとんど空振りだったのにか?笑」
A「う、うるさいなぁ。
それでも楽しいものは楽しいの!!」
まるで子供みたいに舌をだしてあっかんべーなんてするAを可愛いと思ったのは、気の所為じゃないと思う。
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ウウ - ユキちゃん可愛いです!修学旅行とかも見てみたいです! (2016年5月24日 20時) (レス) id: b2e278142f (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 楼羽さん» 楽しんでもらえて良かったです^ ^黒田くんなかなか書く機会がないのですがぜひまた書いてみたいと思いますのでその時はどうぞよろしくお願いします^ ^ (2016年2月23日 1時) (レス) id: 0ea654eb96 (このIDを非表示/違反報告)
楼羽(プロフ) - バレンタイン編とっても嬉しいです!流石でした...黒田落ち作品が少ないのが残念だったのですが、あんずさんの黒田落ち作品に出会えて良かったなー!と時たま思います!これからも読まさせていただきます! (2016年2月15日 9時) (レス) id: e3b315eed7 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 雨宮ゆずさん» ありがとうございます。黒田くんはあまりキャラが掴めてないのですがそう言っていただけると励みになります^ ^また黒田くんを書く機会があればぜひ読んでみてください^ ^これからもよろしくお願い致します。 (2016年2月15日 7時) (レス) id: 0ea654eb96 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮ゆず(プロフ) - あんずさん書くゆきちゃん本当に大好きです。ゆきちゃんは結構恋のライバル的なキャラで登場するのが多いので、もっとゆきちゃんに幸せになってもらいたいですね。笑またゆきちゃんの作品を書いてくださること、祈っています! (2015年9月26日 3時) (レス) id: 4206094240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんず | 作成日時:2015年7月18日 17時