【弱虫ペダル】じゃんけんに負けました。【黒田雪成】

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黒田「またそれかよ。」





雪ちゃんのベプシを買うついでに自分のバナナミルクのジュースも買った。



バナナミルクは私のお気に入り。







「美味しいじゃん、バナナミルク。飲む？」


黒田「ん。」






付き合ってるのか、と聞かれたことは何度かあったけど私と雪ちゃんの間にそんな感情はない。



私にとって一番仲良しな男友達、という感覚できっとたぶん雪ちゃんも同じだと思う。







黒田「…あっま。これ逆に喉渇くんじゃねぇの。」


「そんなことないよ。」


黒田「しかもなんか後味悪いし。」


「そんなこといったらベプシだって美味しくないもん。」








クラスが変わってから、会う機会は減ったものの距離が遠くなったとは感じない。



友達とはそういうものだろう。




私たちは、普通よりちょっとだけ仲良しな友達だ。








「明日は絶対勝つ！！」


黒田「はいはい、頑張れ。」







購買帰りの廊下を歩きながらそんな言い合いをしていると、雪ちゃんがすれ違った人にぺこりと頭を下げた。






黒田「ちわっす、」


東堂「よぉ、黒田。」







東堂さん、と言うらしい。


話したことはないが、噂で聞いたことはある。





とってもカッコ良い人。



私の友達は目の保養だと騒いでいた。








黒田「…どうかしたか？」


「ううん。何でもない。」






ファンクラブまでいる学園の有名人を間近で見たのは初めてだったので少し長く見過ぎてしまった。







「雪ちゃん、一口。」


黒田「ほらよ、」





炭酸があまり得意ではない私にとって、ベプシは刺激が強すぎる。






「不味い…、」


黒田「だったら飲むなっての。」









変わらない日常。



それが楽しいのは事実だけど、少し非日常を求めてしまってる自分もいることも確かだ。







「何か面白いことないかなぁ。」







気づいたらそれが最近の口癖になっていた。

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