19ポン ページ21
「ん〜っ、終わったぁ!!」
図書室という場所でやったからか、なんだかんだ集中することができた。
数学ってほんと難しいね…。
雪ちゃんと教科書がいなかったら確実におわってたよ。
「…お腹減ったなー。」
さっきトイレに行ってくると言った雪ちゃんを待ちながら、筆記用具やらノートやらを鞄にしまった。
…あぁ、勉強していると眠くなるのは自然現象だけど、勉強が終わっても疲れて眠くなってきてしまう。
黒田「また寝やがって…、バカA。起きろ。」
「ひゃっ、」
うつ伏せになっていたら、頬っぺたがいきなりひんやり冷たくなった。
「…何これ。」
黒田「勉強頑張ったで賞?」
雪ちゃんから手渡されたバナナミルクを飲むと、あの甘くて舌にまとわりつく味が喉を潤した。
「…なんか、いつもより甘くて美味しい。」
何でだろう。
いつもより、甘くて少しぬるい。
黒田「俺が買ってきたからだろ。」
笑いながら冗談混じりで言った雪ちゃんの言葉は、変にどくどくなる心臓のせいであながち間違っていないかもしれない。なんて思っていた。
黒田「腹減ったし帰るか。」
「…うん。」
いつの間に人がいなくなっていたんだろう。
図書室はおろか、廊下にも人影すらない。
それなのに、太陽のオレンジが不自然に窓ガラスに反射してキラキラしてるから。
異質な雰囲気を放っていた。
「ねぇ雪ちゃん、」
何だかそのロマンチックな雰囲気に堪えられなくなって、素っ頓狂な声で名前を呼んだ。
黒田「ん?」
「…この前お互いに恋愛対象として見るって話したじゃん。」
黒田「あぁ。」
「それってつまりさ、私は雪ちゃんのことを友達としてじゃなくて男の子として見るってことだよね?」
黒田「…そうだな。俺もお前のこと女として見るし、」
「うーん、なんかそれやっぱり難しい。」
黒田「あ?」
「だって雪ちゃんは雪ちゃんだし、…特にドキドキしないんだもん。」
まるで図書室にいた時の気持ちはなかったことのように話してる自分に、少し違和感を覚えた。
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ウウ - ユキちゃん可愛いです!修学旅行とかも見てみたいです! (2016年5月24日 20時) (レス) id: b2e278142f (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 楼羽さん» 楽しんでもらえて良かったです^ ^黒田くんなかなか書く機会がないのですがぜひまた書いてみたいと思いますのでその時はどうぞよろしくお願いします^ ^ (2016年2月23日 1時) (レス) id: 0ea654eb96 (このIDを非表示/違反報告)
楼羽(プロフ) - バレンタイン編とっても嬉しいです!流石でした...黒田落ち作品が少ないのが残念だったのですが、あんずさんの黒田落ち作品に出会えて良かったなー!と時たま思います!これからも読まさせていただきます! (2016年2月15日 9時) (レス) id: e3b315eed7 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 雨宮ゆずさん» ありがとうございます。黒田くんはあまりキャラが掴めてないのですがそう言っていただけると励みになります^ ^また黒田くんを書く機会があればぜひ読んでみてください^ ^これからもよろしくお願い致します。 (2016年2月15日 7時) (レス) id: 0ea654eb96 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮ゆず(プロフ) - あんずさん書くゆきちゃん本当に大好きです。ゆきちゃんは結構恋のライバル的なキャラで登場するのが多いので、もっとゆきちゃんに幸せになってもらいたいですね。笑またゆきちゃんの作品を書いてくださること、祈っています! (2015年9月26日 3時) (レス) id: 4206094240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんず | 作成日時:2015年7月18日 17時