急募:魔界での安全な暮らし方【魔入間】 (ページ6)

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安全な暮らし5 ページ6

広間に着くと入間くんとサリバンさんが座っていた。

『おはよう、入間くん。昨日はよく眠れた？』

「おはようございます！それはもうぐっすり…では無いですけど眠れましたよ」

『そっか。ていうか、タメ口でいいよ。今日から家族になるんだし。ダメ…かな？』

「ううん、全然大丈夫だよ！僕兄弟欲しかったから嬉しい！」

そう言ってにっこりと笑う入間くん。笑顔がふにゃっとしていて可愛さが溢れ出している。

あ、サリバンさんに挨拶するの忘れてた

『おはようございます、サリバンさん』

「おはよう、聖奈ちゃん。てっ、違う違う！おじいちゃん！おじいちゃんって呼んで！！そんでもってタメ口にして！」

『あ、はい…じゃなくてうん、分かった。おじいちゃん』

「はぁ〜デビかわ！！」

おじいちゃんがクネクネしていると、オペラさんが朝食を運んできてくれた。

「お腹いっぱい食べてね！」

「いただきます！」

そう言ってパクパクと食べ始めた入間くん。さぁ、私も食べよう。

『父よ、あなたのいつくしみに感謝してこの食事を頂きます。ここに用意されたものを祝福し私たちの心と体を支える糧として下さい。わたしたちの主、イエス・キリストによって。アーメン。』

いつものように食前のお祈りをしてから食べ始める。

するとものすごい視線を感じた。周りを見ると私以外の全員がこちらを凝視している。

「あの…聖奈様、それは？」

オペラさんが恐る恐る尋ねると他の2人もブンブンと頭を振って頷いていた。

『あー、さっきのことですか？』

「ええ。何かの文章を読み上げていたようで」

『これは食前の祈りです。私の家はキリスト教という宗教を信仰していまして。だから私も強制的に教徒にさせられたというかなんというか。』

まあ、私は全然信仰していないんですけどね、と軽く言う。

『まあ、さっきの言葉は私たちはこの世の全てのものは神から与えられている、という考えが元になっているので。その神に感謝の気持ちを捧げるって感じですかね。因みに食後にも同じようなこと言いますよ』

と、なるべく噛み砕いて伝える。

三者の反応を見ると、分かって貰えたようだ。

「気になるのだけど、何故聖奈ちゃんはそんなに信仰していないの？」

「…内緒」

ただ信じていればいつか救ってくれる神様より、なにかを代償にしたらすぐに叶えてくれる悪魔の方がいいという言葉を今言う勇気はないから。

ごめんね