急募:魔界での安全な暮らし方【魔入間】 (ページ5)

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安全な暮らし4 ページ5

「…きて…起きて…起きてください」

何処からか声がする。フワフワぬくぬくな布団に包まれていて1歩たりとも出たくない。

『んん…カナちゃん今日は学校ないよぉ…。もうちょっと寝かせて』

「カナちゃんではなくオペラです。ほら、入学式の準備しますよ」

容赦なくベリっと布団を剥がされ、フワフワしていた意識がようやく覚醒する。

『はっ、ここ魔界だ！』

「そうですよ、おはようございます聖奈様。風呂の準備が出来ていますのでお入りください。その他の準備は私がします」

その言葉を有難く受け止めると急いで風呂に入った。昨日は疲れすぎて風呂に入る暇もなく寝てしまったのだ。

風呂の感想を言おうか。
その1、シャンプー、リンスー絶対高い。物凄く良い匂いした

その2、何故かよく分からないけれどサイズがピッタリな下着類が置いてあった。え、何、いつの間に測ったの？？

その3、なんかもうぜんぶさいこう

用意された服を着て部屋に戻ると、机にメイク道具一式、ドライヤーと、何かの液体が入った瓶を持つオペラさんが待っていた。

バッシャアと液体を頭からぶちまけられる。

『あびゃあ！なんですかコレ！』

「人間の匂いを消す特別な香水です。これ無しに外に出たら一瞬にして餌にされますよ」

『怒鳴ってすみません、本当にありがとうございます』

「なんのなんの。さあ、準備をしましょう」

そう言ってオペラさんは髪を乾かし始めた。人にやって貰うってやっぱり心地いい。

乾かし終わったがオペラさんは一向に次の動きをしようとしない。というか、髪をモフモフしている気がする。指に絡めてパッと離したり、束で持ってキュッとしてみたり。

『あ、あの、オペラさん？いい加減気恥しいのですが…』

「ああ、すみません。触り心地が良かったもので。」

表情は変わらないが耳が動いているし、尻尾がユラユラと横に揺れている。ご機嫌なのかな。

「中断してしまいすみません、続きを致します」

その後めちゃくちゃに早かった。ササッと髪を整えると、丁寧に私の顔に化粧を施す。

『凄い、オペラさん天才！プロの人みたい！』

思わず目を輝かして言った。小さな子みたいだったけど本当に凄いんだもの。

「ありがとうございます。でも何か足りない…」

私の顔を見てじっと考え込むと何処からか赤色のカチューシャを取りだし私の頭に嵌め、満足気に微笑み、広間に続く扉を開けたのだった。