急募:魔界での安全な暮らし方【魔入間】 (ページ11)

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安全な暮らし9 ページ11

1周回ると色々と状況が見えてくる。いつの間にか私達は沢山のギャラリーに囲まれていた。

「いつの間にこんなギャラリー…ッ！？」

「僕が呼んだ」

お前かいっ！騒がしくて耳が痛い…。

「さあ、この衆人環視の下…私よりも実力が上だということを証明して見せろ！その身をもって！」

そう言うとアスモデウスはこちらに向かって炎の玉を投げてきた。慌てて避けた玉は壁にぶつかり、ﾄﾞｫﾝｯと音を立てた。

それから20分後…。

アスモデウス、入間、聖奈の3名は疲労で地に伏していた。

「なんっ、きっ貴様等…何故当たらない…！？」

「すっすみまっ、すみません…」

『もう、やだ、疲れたぁ…』

三者共に息が上がっており、聖奈に至ってはﾋｭｰﾋｭｰｯと喉が鳴っていてはいけない音を出していた。

《約20分間入間と聖奈は攻撃を避け続けていた。何故そんなことが可能だったかといえば彼が

不幸だったから

である。名付けるならば”圧倒的危機回避能力“
危ない・痛い・怖そうというものを避けることに関しては彼は達人的であった。攻撃力0、守備力∞
入間は良くも悪くも「無害」な人間なのである。

聖奈は体力はゴミカスだが優れた運動神経と動体視力を持っている。なので避けることが出来ていたのである。
もう一度言うが体力がゴミカスなので避け始めて10分程過ぎたところで限界が来て、後は精神力で避けていた。》

「特待生の2人凄ぇなあ」

その言葉にアスモデウスがピクッと反応する。

「まだ一回も攻撃してないぜ」
「え、何？手を出すまでもないってこと？」

ピクッピクッ

「私など…攻撃するに値しないということか…ッ」

「『いえいえいえ』」

2人で慌てて首をブンブンと横に振る。

ギャラリーのヒト達余計なことを…！！

「僕なんかほんと虫ケラみたいなもので…」

ちょっ、入間くんそれ今は逆効果！

「てめーは虫ケラ以下だとよ！」
「さっさと尻尾巻いて逃げろとさ！」

ヒューヒューと野次を飛ばすギャラリー。

「ちっ、違うんですッ！！」

入間くんは慌てて否定するがもう遅い。

「ッッなんたる侮辱！！魔術が効かぬなら武術でねじ伏せるのみ…！！」

もぉおお、動ける力殆ど残ってないってぇ！