ひとくふう荘14 (ページ18)

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ガヤさんがちっちゃく頷いて先を促す。
な、なんで僕のお顔にお話するのかしらん？？
恥ずかし〜い！ちょっとお目目逸らせちゃいます。
でも僕のお顔見たら落ち着いて話せるってこと〜？

『お店も今正念場でさ、だから店がもう少し軌道に乗って、お客さんが戻ってきたら…俺も《たま》の番とかできると思う。できない時はちゃんと言うようにする。

あ、そんで、正直言ってオバケは怖いけど、みんなとなら怖くにゃい…と思う。１人しかいない時に出てこられたら泣き叫ぶかもしんない。それはかなり自信ないけど。
前に女の子のオバケがたいしゅけを…あ、いや、にゃんでもない。

とにかく、その…《ココ》にいる為にも〜７人でいる為にも、今あることを中途半端にしたくないので…んと〜…しばらくはみんなのサポートに徹します。よ、よろしくお願いいたします。』

しん…と静まり返ったお部屋の中。
ヨコオさんはお目目をやっと僕から外して、周りをキョロキョロ見渡した。

『…え？あの…。』

『相変わらず…真面目に喋ると面白くねぇ…。』

身も蓋もないガヤさんの呟きにキタヤマさんが慌てる。

『お前さぁ！今面白ぇとこ要らんのよ。いいじゃん、今の。俺は好きだよ。藤ヶ谷だってそういうとこが放っとけねーくせに。』

『………まあな。』

……あいたた。ガヤさん、つんでれさん。
だんだんひとくふう荘につんでれさんが増えてきちゃった。
でれでれは分かりやすいけど、つんつんは分かりにくいんです。本音が漏れないとつんでれさんは面白く…あ、いや、可愛くないもんね？

『ま、渉にしちゃ頑張ったよね。』
『太ちゃん…。』
『その代わり、お店のお客さん幸せにすんの忘れんな？』
『う、うん。頑張る。』
『１人の時にオバケが出たらすぐに俺たち呼べ？』
『はい。』
『よし。許す。』

そう言い放つや、ガヤさんは満足したようにおっきなお声で爽やかに笑ってヨコオさんに抱きついた。

キタヤマさんも笑うの我慢してるけど、お目目が嬉しそう。んふふ〜。
素敵素敵〜っ。

『………で、もういい？俺、そろそろ裏行くわ。』

呆れたようなお声に、はたとみんなが振り向いた。
ミヤタさんがお疲れな表情で大あくび。

『え！？龍さんの話も聞かせて下さい！』
『時間切れ。もう溶けてきたぜ。』

そう言って首輪を撫でるミヤタさんは、まるで王様のように足を組み替える。

『あっ！宮っちは踏んでも蹴られてもタマから離れないけど…あなたは…怒ってないですか？』