ひとくふう荘14 (ページ14)

今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:11,703 hit

14 ページ14

低く唸るようにお声を上げたのは…。
えっ？せ、センガさん？

『…黙って聞いてりゃぁ好き放題言うとるが、肝心の俺らの気持ち置き去りにするでにゃあっ！ややこしいことなら余計俺らが要らん訳あらすかっ！！
ええか！？このたわけっ！よぉ聞きゃあよ？

俺はダンサーを辞めるつもりはなあでっ！そんでタマの友だち辞めるつもりもなけりゃあ、ココを出てくつもりもねぇっ！！
ココは《ひとくふう荘》じゃん。みんなが自分の人生歩みながら《たま護り》するひと工夫をみんなで考えんのが本筋でにゃあの？！』

『千ちゃん…。』

一気に怒鳴ったセンガさんは、ふーふーと肩で息をついている。タマさんを睨み付けるお目目にめらめらと燃えるお怒りの炎が見えますっ。お口はイ〜ってなってて片足だけじゃなくて両足で地団駄ふんじゃってる。
タマさんだけじゃなくてみなさんお口あんぐりです。

『子どもの頃から何年の付き合いだよ？まだ分からんか、たわけたわけたわけたあけーっっ！！』

………きゃあ。
センガさんてこんなに怒るきゃらでしたっけ？？
大事なお顔歪んじゃうよ？？お肌におシワができちゃうよ〜？

『宮だったら今タコ殴りにタマ殴られちょうよ！アイツがどんだけタマを愛しとると思っとんの？
タマのせいで宮がどうかなるってんなら、突き放すんじゃなくてタマがきっちり宮の命守ってやりゃあええんだわっ。
タマの…タマのあんぽんたぁぁぁん！！』

『…あんぱんまん？』

………えと。ニカさん、今はちょっと。

けれどニカさんは怒り狂うセンガさんのお肩にお手手を優しく置いて、ウンウンウンウン頷いた。

『分かる。分かるよ〜千賀。どぉどぉ〜。』
『俺は馬かっ！？』
『まあまあ、落ち着け？』

顎をわしゃわしゃされガウルルル…と唸るセンガさんのお背中を更にポンポン叩いてタマさんに話しかける。

『…あのさ。そういうのいいから。カッコ良くねーぞ、タマ。素直に言えって。』

『何を…。』

『いつもみたいに言ってよ。７人でいたいって。』

『……ニカ。』

『１人でカッコつけんなよ、柄でもねー。寂しがり屋のくせに。
タマは宮田がいないと生きてけないじゃん。で、俺たちと一緒にいんのが１番楽しいんでしょ？ツチヒメさんも言ってたじゃん。《楽しめ》って。』

タマさんは面喰らったように持ってた椅子に座り込んだ。
すると突然、ガヤさんがニカさんをお背中から抱き締める。

『な、何ナニっ！？』
『…ニカぁぁ！千ちゃん！好ぅきぃっ！』