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照れてアワアワしてるニカさんをぎゅうぎゅうに抱っこするガヤさんは、センガさんにもお手手を伸ばす。

『ほら、千ちゃんもおいでっ!』

『…しょーがねーなっ!!』

眉を顰めて戸惑ってたのに、そのお手手を見た途端にセンガさんはガヤさんの胸に飛び込んでいく。
その頭をわしゃわしゃナデナデするガヤさんの嬉しそうなお顔ったらない。

『よーしよしよし。よく言った!』

同じくらいデッカい男の方が3人がっぷり四つに組んでる様はなかなか面白いですが……。
うんっ!やっぱり素敵素敵〜っ!



……でも勿論、全員が同じお気持ちになれないのは分かるよ、ヨコオさん。

タマさんのお話をキッチンの作業台に凭れ掛かって聞いていたヨコオさんは、俯いたままでポツリと言った。


『俺は…水差すようで悪いけど、ちょっと考えしゃせて。』

ヨコオさんに集中するお目目を避けるように眼鏡を外してお袖で拭き拭き…浮かないお顔でひとりごちるように呟いてる。


『俺…店もあるし…店のスタッフにも責任持たないといけにゃいじゃん?コロナで思い知ったんだよにゃ、店が傾くのは思ったより早いの。今は努力し続けにゃきゃいけにゃい時だって。
ひと工夫でなんとかなるならいいけど、時間と命懸けてまでもうひとつ義務を増やすことはできねぇよ。今までは無我夢中だったけど、やっぱ得体の知れねーもんは怖いし…。』


それを聞いたガヤさんは、おっきな溜め息つきながらヨコオさんを振り返った。

『ったく、言い方…本当に水差す男だな。馬鹿正直!!』

みんなを叱るヨコオさんを叱るのはガヤさんのお役目。
そんなヨコオさんを守るのはやっぱりガヤさんと…それからキタヤマさんのお役目で。


更に俯いたヨコオさんのお隣に凭れたキタヤマさんが天井を見る。

『…横尾さん、無理しなくていいんじゃね?』

むにゅんとお口を曲げて笑うキタヤマさん。


『俺さ、本当はずっと考えてた。オバケ嫌いなニカやヨコオさんにはこういう環境は負担じゃねぇかなって。慣れろって言いたいとこだけどもはや本能だもん。

考えてたら1周回って…もうさ、俺はメンバーがそれぞれ幸せならいっかなって。

よく頑張ってたもんね?苦手なホラーゲームでなんとかアヤカシに慣れようとしてただろ。めんどいことに率先して関わろうとすんの珍しいよな??
店のことだってさ、夜遅く帰ってきてから試作繰り返してさ。朝、俺たちに食わしてくれんの。いっつもコイツ睡眠時間少ないんじゃねって思ってた。』

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作者名:みあん | 作成日時:2023年1月23日 0時

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