Who? M ページ5
タマ、カッケェわ。
参った。こんなに美しい人3次元で見たことないよ。
この最高に綺麗な男が俺の《嫁》だって…信じられる?
それはタマが今年から始めたインスタントフォトグラムという写真を中心としたSNS。
日本でSNSといえばツイッカーが浸透してるけど、こちらは世界的に使われているし、アメリカやヨーロッパのセレブに広まったことで火が付いた。今では日本でもツイッカーに並ぶSNSだ。
とにかく写真を載せることが大切なんだよね。写真は言語が分かんなくても言葉の代わりになるから。
で、俺たちのグループが海外でもセールスができる為には何をすればいいか…みんなで考えた。
その内のひとつがこれだ。
グループで挙げることも考えていたけど、まずはグループのセンターのタマが先陣を斬る。
日本での活動を知らない人でさえ、ひと目見ればそのカッコ良さと美しさが伝わる。つまりは画像が物を言うSNSにタマはピッタリ。
しかし、まるで海外のファッション誌だ。
オシャレってなもんじゃない、まさにリッチでプレミアムで上質。
そこにあるタマはモデルのように上品なハイブランドで身を固めている。
けれど勿論中身が伴っていないと着こなせないし、一朝一夕で着こなせるものでもない。普段から意識してハイブランドを身に着けるタマだからこその出立ちだ。
磨き上げた肌や身体も美しい。
その色っぽい榛色の瞳に射抜かれる。
細い手首や指、広い背中、細い腰…。
俺は毎日毎日どき.どきさせられっぱなし。
さぞ、世界の人も毎日どき.どきしちゃうんだろう。
しかも飽き性でめんどくさがりのタマがちゃんとブログとともに毎日続けてアップしているの。
ちゃんとカッコイイ男を世界に発信し続けている。
1度決めたらやり通す男は、俺たちグループを世界に連れて行く為にきっちり責任を果たしていた。
尊敬する。ほんとカッコイイよ、タマ…。
だけど……それは俺の知らない玉森。
繊細なセンスのあるセレブリティで華やかな人。
あ〜、ますますタマが遠くに行っちゃった気がするわ…とか一抹の寂しさも感じたりして。
………本当にこの人、俺の嫁?
なんて思ってたら、24時間で消えるとかいう動画もアップされ始めた。
…ん?
Gパンの膝破けたタマ…。
お店の窓を覗き込む可愛いタマ。
煎餅や豆食ってるもぐもぐタマ?
道に迷ってウロウロしてる天然タマ!
そこにはいつものタマがいた。
このカッコ可愛い男、やっぱりうちの嫁みたいです。
fin.
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作者名:みあん | 作成日時:2023年1月21日 0時