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今まで金ピカのお皿をカシャンカシャン叩いて鳴らしていたミヤタさんが、急に持っていた2本の細長い棒を振りかざした。
ダンダンドンッ!ガシャガシャドタタタタッ!
ドカドカガッシャーーンッ!!!
きゃーっ!??
ビクビクビクッとなって、僕はタマさんの足の間に逃げ込む!
な、何何ナニ!?カミナリ???
びっくりしたーーーーーーーっ!!
『あっ!宮っち〜、ドンブリ怖がっちゃったじゃ〜ん!!』
『見事な逃げっぷり!』
『ご、ごめんっ!ついテンション上がっちゃって〜〜〜っっ。』
ミヤタさんが頭を掻いた。
ミヤタさん以外は何故か大爆笑。
『怖かったね〜。カミナリ様来ちゃった!』
タマさんがウクレレを横に置いて、僕を抱き上げてくれる。
ミヤタさんはカミナリ様なのぉぉ!?
『アレはね、ドラムって言うの。襲っては来ないからね〜。』
タマさんは優しい声でナデナデしてくれた。
『ドンブリ、ごめ〜ん!』
ミヤタさんも慌ててこちらに来て、優しくナデナデ。
タマさんの細い指とミヤタさんのおっきなお手手にあちこち撫でられていい気持ち。
やがて僕が落ち着いた頃に、ハイッとタマさんが僕をミヤタさんに抱かせる。
『怖い人って思われないように、優しくおやつでもあげてきて!』
『は〜い。』
大丈夫…ミヤタさんが優しくて素敵な人だってこともちゃんと知ってるよ?
まさかカミナリ様だとは知らなかったけどぉ。
……でも、くれるって言うなら、おやつは貰ってあげるねっ!
ミヤタさんに抱っこされて上のお部屋へ帰ってくると、後からタマさんも上がってきた。
『カミナリ様と2人きりじゃ、ドンブリが怖いかなと思って。』
『じゃ、俺トラのパンツ履かなきゃ。』
トラって、あのトラ?おっきな動物の??
『持ってんの?』
『トラはない。』
『んじゃ、今度の誕生日はトラのパンツと赤いアフロのヅラ買ってやるわ。』
『アフロは要らねーっ!!』
くふくふ楽しそうな2人。
あー、また僕をダシに使ってるな?いいけど!
『ハイ、ドンブリ。おやつ!怖がらせちゃったから特別に3個あげる。』
『あ、ミヤ〜!ご飯食べられなくなるやん。』
やた〜!ささみ巻いたおいも3個ゲット!
おいもをはむはむしてる僕の前で、2人はしゃがんで寄り添って、ニコニコ僕を見ているの。
……ん?距離近くない??…ま、いっか。
また2人にナデナデされながら、僕はおやつをしっかり食べた。
たまにはカミナリ様、出てきてもいいかも〜。
fin.
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作者名:みあん | 作成日時:2021年10月3日 15時