【H×H】カチコミ！！

フツウ×ハ×キケン ページ25

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いつの間にかいなくなっていた腕を消されていた男性を心残りに思いながら、
勝手に震え出した手を必死に押えていると、目の前にジュースの缶らしきものが映った。




「お近づきのしるしだ、飲みなよ」

「お互いの健闘を祈ってカンパイだ」




正直、エレベーターを降りた瞬間から緊張で喉がカラカラだったのでまさかこんな所で飲み物がもらえるなんて思ってなかった私は、

ゴンの「ありがとう！」という声に続き、その缶を受け取る。



(あんまり冷えてないけどありがたいな…ひとまずこれを飲んで落ち着こう)

パシュッ、
と隣のゴンの缶が空く爽快な音を聞きながら、私も缶のプルタブに手を掛けると、「れろ」っと言いながらゴンがいきなりジュースを吐き出した。




「トンパさんこのジュース古くなってるよ！味が変！」




えっ、とタブを空けた缶に鼻を近づけて匂いを嗅いでみるも何の悪臭も漂ってこない、いたって普通の甘いジュースの匂いだ。




「あれ？おかしいな〜〜〜〜？」




ゴンの言葉に、何故か目を泳がせ額に脂を浮かべたトンパさんがアハハハと無理やり口角を上げる。

それを見ていたクラピカとレオリオは、何の躊躇いもなくジュースを逆さにして床に捨てた。



(…………もしかして)

彼の様子を見ながら、やっと気づいた私はその場で捨てるのも忍びなかったので丁寧にトンパさんにジュースを返した。




．






ハンター試験35回目の受験者トンパは焦っていた。



それは何故か、

今年のルーキーがスゴい奴らばかりであるからだ！




たった今声を掛けた一見チョロそうな新人4人組。

最初、金髪のガキだけがオレの思惑に感づいていたようだが、その他の3人はなかなか懐疑慣れしていない小物だと思っていた。

特に1番後ろを着いてきていた女。


ヒソカのあの場面でも、一人だけ顔を逸らしていたし、
てっきり1番の小物だと思っていたがオレのこの特製ジュースに普通に気づきやがった…！

というか、1番ヤバいのは金髪のガキじゃなくあのトンガリ頭のボウズ……！とんだ野生児だ。




その他にも、294番のニンジャとか言っていたハンゾー。
そして187番のニコル。

さらに301番の、明らかに常人ではないヤバい奴。


コイツらにはあの下剤入りジュースを飲ませられなかった。




結局、下剤入りジュースを飲んだのはあいつだけ。



99番のキルア。


多分さっきの405番と同じくらいの年だろうが、ガキには人生の厳しさを教えてやらんとな。

もうケツのガマンも限界に近いはずだ。





「トンパさーん！さっきのジュースもっとくれる？」




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