サクシ×ト×サクシュ ページ12
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クラピカ君の言葉に、
思わずエッと声をあげてしまうが、彼は構わずに先程よりも少しだけ大きな声を発した。
「クラピカでいい」
「オレも!ゴンでいいよ」
「右に同じく!」
3人の言葉を聞きそこで初めて、「あぁ、私はここにいていいのか」と思い直した。
多分クラピカ君……クラピカは、頭がいい。
それは紛れもない事実だし、私が彼らと共にいるメリットはやはり少ない。
けれど、その一言、一言だけで、私はここにいていいのだと、
3人と一緒にいていいのだと、思うことが出来たのだ。
安全面を考慮して3人について行きたいなどと、自分の中で都合のいいように誤魔化して……本当は、もう分かっていた。
(──────私は、この人たちについて行きたい)
「てか、敬語なんて使わなくていーぜ」
「そうだよ!オレもAって呼んでいい?」
レオリオの言葉に続き、ゴンも私に問いかける。
私はなんとか、溢れてきそうな涙を堪えつつ俯きながら返事をした。
今、涙を堪えてて、本当に凄い顔をしてる。
けれど、それ以上に、嬉しい──────────
「よし、じゃあザバン市に向かうか!」
気を取り直して、とレオリオが前にある大きな地図看板に目を移す。
私も嬉しさを噛み締めながら、その地図に目をやるが、そこに見えたのは見たこともない文字でさっきとは違う意味で泣きそうになる。
(なんじゃこりゃ!古代語?何文字?)
前途多難だ……この世界を知るには、まず初めに文字から覚えなきゃいけないかもしれない……と、項垂れていると、レオリオの隣で地図を見ていたゴンが口を開いた。
「船長が、あの山の1本杉を目指せって教えてくれたんだけど……」
地図から目を離し、右側に見える大きな山の麓にあるここからでも目視できる杉の木を指差すと、レオリオが口を尖らせる。
「そりゃおかしいぜ、見ろよザバン地区は地図にも乗ってるデカい都市だぜ」
レオリオの言う通り、ゴンが船長から聞いたという1本杉があるのはザバン地区とは全く逆方向で、どう考えてもそこからザバン市に行くことは出来ない。
だけど、あの船長がゴンに、私たちにわざわざ嘘をつくとも考えにくかった。
訝しげになるレオリオとクラピカ、私とは正反対に、ゴンは清々しい表情で口を開く。
「とりあえずオレは行ってみる、きっと何か理由があるんだよ」
うーん。
悩むなぁ……。
ザバン市への直行バスがあるにも関わらず、徒歩であの山を登ることに決めたゴンに、レオリオはチクチクと反論を垂れた。
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実珠 - あぴさん» はい!!とても楽しみです!!あーキルア格好いいなぁー!!!自粛明けで大変かと思いますが是非更新頑張って下さい、応援してますよ! (2020年6月8日 22時) (レス) id: 455069b8f0 (このIDを非表示/違反報告)
あぴ(プロフ) - 実珠さん» お久しぶりです〜今回もコメントありがとうございます^-^ 自粛明けて忙しくなりましたしね〜これから本格的にハンター試験も始まりますので、また読んでいただければ嬉しいです! (2020年6月8日 14時) (レス) id: 672d662638 (このIDを非表示/違反報告)
実珠 - あぴさん» お久しぶりです!学校行ってて中々見えませんでした…まとめて読んだんですけど久しぶりだからか余計に面白く感じました!やばい!面白い!!これからも応援してます! (2020年6月7日 19時) (レス) id: 455069b8f0 (このIDを非表示/違反報告)
あぴ(プロフ) - 璞さん» 初めまして、コメントありがとうございます!読んでいただき嬉しいです(^^)大変お待たせしました!私自身もやっと始まる〜!という感じです笑 全員キャラがいいんですよね……わかってくれる方がいて嬉しい…絵も褒めていただきありがとうございます、更新頑張ります^-^ (2020年6月5日 13時) (レス) id: 672d662638 (このIDを非表示/違反報告)
璞(プロフ) - あぴさんがみんな好きっていうのとってもわかります!!^ ^ 中でもアダルトリオはとっても素敵だと自分も思いました!、話は戻るのですが、、絵もとても素敵で本当に更新楽しみです、無理しないように頑張ってください(?)応援してます!!^ - ^ (2020年6月5日 0時) (レス) id: e8c51eabaf (このIDを非表示/違反報告)
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