カエリ×ハ×コワイ? ページ11
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ざわめく人の中をすり抜けながら、はぐれないように前の3人に必死について行く。
とりあえずは、安全面も考慮して3人と一緒に行動させてもらった方がいいだろう。
その中で、ここがどんな世界なのか、どうやったら元の世界に戻れるのか、地道でいいからヒントを掴んでいこう……。
「すげェ人だな、えーとザバン市に向かう乗り物は……」
前を歩くレオリオさんがキョロキョロと辺りを見渡す。
私も同じように乗り物らしきものを探そうとするが、周りの高身長の人たちに視界を阻まれ、探すこともままならない。
(く〜〜〜〜あともうちょっと身長があれば!)
「あっ…!」
人と人との間に、バス停らしきものが見えて私は前にいる3人に声を掛けようとしたが、前には見知らぬ人たちの後ろ姿があった。
(やばい、探してる間にみんなとはぐれてしまった……!)
昨日今日会ったばかりの私がいなくなったことなど、3人は気づいていないかもしれない……
そんな人たちではないことをわかってはいるけど、私なんかがいなくても特に支障もなく試験会場に、あの3人なら辿りつけるだろうと、俯き加減で人の波にもまれる。
─────その時、荒い息切れと共に、私の手を誰かが掴んだ。
「A!」
名前を呼ばれ、勢いよく掴まれた手を引っ張られた私はいきなりのことに驚きながらも、その手を掴んだ張本人にも驚きを隠せなかった。
「く、クラピカ君」
「こっちだ!」
手を引かれ、人波を軽やかにすり抜けていく彼の背中を見ながら私はまだ状況を飲み込めていなかった。
それは、私の中でクラピカ君はもっと冷徹で頭のいい人だと思っていたからだ。
もし3人が私がはぐれたことに気づいてくれたとしても、多分彼なら私を探すことを反対するだろうと思ったから。
たとえ、あの船の中を生き延びたメンバーであっても、私を仲間に加えることは、自分で言うのもなんだか得策ではないし、第一クラピカ君にメリットがない。
「Aさん!クラピカ!」
「おっ」
人波を彼に引かれて抜けると、目の前にこの街の地図看板らしき前で立っているゴン君とレオリオさんが私たちを見て手を上げた。
当たり前のように待っていてくれた2人と、わざわざあのおびただしい人数の中から探し出してくれたクラピカ君を見ながら、私は今までにない程心がじんじんしていくのを感じた。
(…………この人たちと、一緒にいたい)
「ごめんね、クラピカ君」
「"クラピカ"だ」
名残惜しくも離された手と同時に、クラピカ君が口を開いた。
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実珠 - あぴさん» はい!!とても楽しみです!!あーキルア格好いいなぁー!!!自粛明けで大変かと思いますが是非更新頑張って下さい、応援してますよ! (2020年6月8日 22時) (レス) id: 455069b8f0 (このIDを非表示/違反報告)
あぴ(プロフ) - 実珠さん» お久しぶりです〜今回もコメントありがとうございます^-^ 自粛明けて忙しくなりましたしね〜これから本格的にハンター試験も始まりますので、また読んでいただければ嬉しいです! (2020年6月8日 14時) (レス) id: 672d662638 (このIDを非表示/違反報告)
実珠 - あぴさん» お久しぶりです!学校行ってて中々見えませんでした…まとめて読んだんですけど久しぶりだからか余計に面白く感じました!やばい!面白い!!これからも応援してます! (2020年6月7日 19時) (レス) id: 455069b8f0 (このIDを非表示/違反報告)
あぴ(プロフ) - 璞さん» 初めまして、コメントありがとうございます!読んでいただき嬉しいです(^^)大変お待たせしました!私自身もやっと始まる〜!という感じです笑 全員キャラがいいんですよね……わかってくれる方がいて嬉しい…絵も褒めていただきありがとうございます、更新頑張ります^-^ (2020年6月5日 13時) (レス) id: 672d662638 (このIDを非表示/違反報告)
璞(プロフ) - あぴさんがみんな好きっていうのとってもわかります!!^ ^ 中でもアダルトリオはとっても素敵だと自分も思いました!、話は戻るのですが、、絵もとても素敵で本当に更新楽しみです、無理しないように頑張ってください(?)応援してます!!^ - ^ (2020年6月5日 0時) (レス) id: e8c51eabaf (このIDを非表示/違反報告)
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