6 ページ40
.
「え？」
「だって、俺……俺、ジュンと……」
俯く智くんの瞳に、涙がたまって行く
涙を湛えてキラキラ光る智くんの綺麗な瞳を見詰めながら
智くんって案外泣き虫なんだなって
そんな事を思いながら僕は、ポケットからハンカチを取り出した
「…俺は、何にも聞いてないよ。」
「……え？」
そうであろうと予想はしていたものの
智くんの口から彼との関係を匂わす様な事が語られたのを聞いて、ショックを受けたのは確かだった
だけど
「俺は何にも聞いてないし、何にも見てない
だから、智くんとあの人の間に何があったのかなんて俺には解らないし、智くんが友達にキスするなんてのも知らない」
「…翔くん…」
過ぎてしまった事を
彼が僕に知られたくないと思っていた事をとやかく言っても仕方無いし
そんな事しようなんて、僕はこれっぽっちも思わなかった
「そもそも、それを見せたくなくて俺に帰れって言ったんでしょ？
だったら、俺は全部見聞きしなかった事にするよ
一部を除いてね」
それよりも
彼が語った事の中に嬉しい文言を見付けていた僕は
その事で頭がいっぱいだった
「……一部って？」
だから僕は
ちょっと不安そうにしている智くんの溢れそうな涙をハンカチで拭うと
にっこりと笑ってみせた
「好きだと思ってると、恥ずかしくて手を繋ぐのが精一杯だって話」
「………うん。」
智くんは、恥ずかしそうにちょっと笑うと
小さな声で、それは覚えてても構わないよと言った
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 692人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花咲*(プロフ) - 猫さん♪しょーたんカッコ良く告白できて良かったね〜オーナーとラブラブの幸せに〜(*≧∀≦*)続きが楽しみすぎです♪早速お邪魔しに行ってきます(*´ω｀*)ゞ (2016年11月20日 21時) (
レス) id: 8fb606e214 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 猫さんこんばんは(^^)すごーいすごーいちゃんと告白できましたね！よかったぁ！メチャ嬉しい(^^)さとちさんも気持ちを伝えられたしもうほんとよかったぁ。これから続篇におじゃましてきます(^^)更新ありがとうございました！ (2016年6月27日 1時) (レス) id: 930acce638 (このIDを非表示/違反報告)
山花(プロフ) - マイ＊ハニーの猫にゃん♪ 更新、ありがとう！ 今、続編を読んできたよ〜 もうキュンキュンで何か青春時代を思い出しちゃった(笑) 翔くんも告白できて可愛いオーナーも観られて嬉しいな！ (2016年6月27日 0時) (レス) id: 2175026763 (このIDを非表示/違反報告)
ｓ猫ｓ(プロフ) - きゅーさん» ありがとーございますぅ☆続編の方、先程オープンして来ましたのでね、良かったらご覧下さいませー☆相変わらず、焦れったいよー(笑) (2016年6月27日 0時) (レス) id: 0bbe67d7c1 (このIDを非表示/違反報告)
ｓ猫ｓ(プロフ) - yumiさん» 続編…まだ行けてませんでしたよね？ごめんね、なんか書き方とか案内の仕方が悪かったんだよね多分…今さっきオープンしたので、もうご覧になれますよー (2016年6月27日 0時) (レス) id: 0bbe67d7c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：s猫s
| 作成日時：2016年6月16日 19時
