29 諦め ページ29
仕事に関しては負けず嫌いなんで？
そりゃ頑張りますよ。
当然メモも取りながら頭にも叩き込み、淡々と与えられた仕事をこなす。
「うん。大丈夫そうだね。俺、来週からは営業頑張るから」
異動から５日目、金曜の午後松本さんは言い、結局引継ぎは１週間で終わってしまった。
松本さんは「先月分取り戻すぜ！」と完全に営業の仕事に戻り、翌週からは分からないことがあれば担当者に訊くというスタンスになった。
その殆どが櫻井さんなわけで、必然的に接する機会も多くなる。
その度に秋月さんとか同じフロアにある企画部の女性陣から冷たい視線を浴びるけれど、さすがにそれは不可抗力というもので仕事中は気にしないようにして、それ以外の、朝夕や昼休みなどは出来るだけ櫻井さんには近づかないように挨拶だけしたら離れるようにしている。
・・・私はそうしているのだけれど。
櫻井さんはそれを面白がってるのか何なのか何かといえば話し掛けられ、お昼は毎日のように誘われるし、ハッキリ言って困ってる。
「私、今日はお弁当なので」と断ると、
「あ、俺も今日はコンビニのサンドイッチとおにぎりなんだわ。
ミーティング室いかね？」と返される。
初歩の研修が終わった新入社員が３人やってきたけど、営業１課イチ忙しい櫻井さんの下には誰もつかなかったから彼の仕事のペースは変わる事なくずっとこんな調子。
始業と同時に私のところにきて、午後や翌日、週末までにといった仕事をいくつか置いて外出し、戻る時間がもったいないと帰社せずお昼は外で済ませる人も多い中、櫻井さんは必ず戻ってきては私にちょっかいを掛けて来る。
「Aさん、昼行こうぜ？」
しかしさすがに３週間もそんな事を繰り返されればいい加減諦めもついてくるってもんで。
今日もまた櫻井さんに声を掛けられ、溜め息をつきながら「朝に頼まれたのメールしてからでいいなら」と了承すると「どれ？」とパソコンを覗き込まれる。
「ちょっと、近いです」
「角度的に見えなかったんだって」
「メールするって言ってるじゃないですか」
「あーはいはい。すみませんでした」
「全然すみませんなんて思ってないですよね？」
「思ってますよ。毎日ありがたいとも思ってます。
俺腹減ったから早くして」
「待ってなくて結構ですよ」
「連れないなー(笑)」
「分かってるじゃないですか｣
パソコンを消して財布と携帯だけを持つと、ドアを開けて待つ櫻井さんの脇を擦り抜けた。
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とも(プロフ) - こんにちは。赤い眼の真相？とっても気になります。ってか続きがめちゃくちゃ読みたいです( ^_^ ;) (2020年1月25日 13時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みやさん» みやさん、こんにちは。大変お待たせしましたm(__)mたったの１話ですが更新いたしました。この後はもう少し更新頻度は上がるかも。お時間ある時にお付き合いいただけたら嬉しいです(^^) (2018年5月12日 13時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 待ってます (2018年4月14日 10時) (レス) id: 31283dda21 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みぃこさん» みぃこさん、こんばんは(^^)先程、すくない話数ですが更新してきました！もう少しコンスタントに進めるのが理想なんですけど、なかなか時間が取れません（T_T） (2018年2月26日 23時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - おはようございます☆これからの更新楽しみにしてます(*^^*) (2018年2月14日 9時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青藍
作成日時：2018年1月10日 23時
