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衣)つーことで、よろしくなA
A)ん?ん?真緒さん説明放棄ですか
衣)今日のはお前のせいでもあるからな。なんとかしろよ、今日中に仲直りすること。
俺からは以上です!
そういわれて真緒に引き渡されたのは、不機嫌☆5レベルMAXぐらいの凛月。今日中に仲直りをするようにと提示されても、その原因が分からない状況ではどうしようもない
凛月も凛月で私のほうを見ようともしない。颯爽と去っていった真緒の背中をただ見つめていた
その眉間にはしわが寄っている
A)凛月
凛)…
ムスくれた凛月は、声をかけてもこちらを見ようとはしなかった。
困ったな…昨日はともかく今日怒らせるようなことしたかな。っていうか、今日は学校内で凛月に会っていなかった気が。え、わかんない
記憶を巡らせうんうん唸っていると一つの可能性が生まれてきた
自分ではなく、何か間接的な事が起きたのではないかと
心当たりは一つだけあった
それを確認するためにスマホをいじる。正直外れててほしいと願うが、こういう時の私の予感は仕事をしてしまう
A)泉め…やってくれたな
私が泉の前にスマホを置いていったことが原因だったようだ。勿論、それぐらいじゃ凛月は怒ったりしない。だが、写真を凛月に送っていたようだ
写真を送るだけならいい…いや、まぁ零が映ってるから黒だろうけど、トーク画面も特にそれ以外に不審な点はない
だが分かってる、泉はそこで終わらない。最後のトッピングまで惜しまなくやった結果
ラスボスが完成したようだ
A)凛月、帰ろう?
凛)…兄者と帰ればいいじゃん
A)!!…昨日帰るところ見てたの?
凛)別に、それでまた兄者と一緒に寝ればいいじゃん
A)…
その言葉が胸に突き刺さったけど、何も返さなかった
どうやら、ラスボスはたくさんの要素をため込んで生まれたようだ
シンプルにするためにはまず、弁明をしなければならない
私は凛月の手を引いて校門へと歩いた
凛)ちょっと、離してよ
A)やだ、ねぇ凛月。デートしよう
凛)兄者とすれば…
A)凛月、それ以上言うなら私も怒るよ。私は、凛月じゃなきゃダメ
その言葉に凛月は何も返してこなかったけど
私がただ掴んでいた彼の手がしっかりと私と同じように握り返してくれた
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作者名:♪護♪ | 作成日時:2017年3月15日 2時