サッカーチームKZ Part2

No.45 余裕 ページ1

｢言ってたぜ。KZのマネージャーはすごい働き者でチームのメンバーのことちゃんと見ててとにかく可愛い。って｣


｢か、わっ…！？｣


カッと顔が熱くなる。


｢ちょ、ちょっと！何言ってんだよお前！｣

｢お、美門。この子だろ、お前が称賛してたの｣


美門が階段から顔を出し、慌てた様子で2人の方に向かって来た。


｢そうだけど！言わなくてもいいだろっ！｣


｢珍しい、翼。顔赤い…｣


ぽつりと彩が呟く。


｢なっ、アーヤまでそうやってっ……！｣




昨日のことがなかったみたいに柔らかい空気になった。


彩も自然と笑顔になっていた。



｢アーヤ｣



｢！！黒木くん！｣


｢嵐が戻って来てからその後アーヤが来ないなと思ったら、まだこんな所で油売ってたの？｣


行くよ。と言って彩の肩を自分に引き寄せた。


｢じゃ、うちのマネージャーがお世話になりました｣



美門を睨むようにして見る。



｢もう余裕はできないってことくらい、少しは自覚したら？｣



そう言うと、黒木と彩は東棟に繋がる階段を下りて行った。


｢………別に、余裕はないんだけどな…。むしろ、不安でいっぱいだよ…｣


離れていく2人を見つめながら美門は小さく言った。


｢ん？何か言ったか？｣


｢なんでもないっ！部屋戻る。じゃあな｣


自分の部屋に戻って行った。

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